2011年12月31日(土)
きょうの潮流
岩手の陸前高田市。津波にさらわれた市街地の廃虚から、山の方へ坂道を上っていくと、みるからに風雨、風雪にたえてきた看板が立っていました▼「全国から応援 救援物資あります 市民の声・日本共産党」。共同支援センターです。4月初めに活動を始めて以来、無料青空市を連日開いたり、仮設住宅などに物資を届けたりしてきました▼高田松原でたった1本、原形をとどめた松の写真もはってあります。故中里長門・元市長に続いて今の戸羽太市長を支える会、「市民の声」のポスターです。「つなごう 絆の力」の文字が鮮やかです▼文字どおり、「共同」の場です。党派を超えて「市民の声」に集う人たちと日本共産党の共同。市民とセンターの共同。みずから被災した市民も、ボランティアではたらきます。気がつけば“店長”とよばれていた、と語る藤倉了介さんは30歳。住んでいた仙台から4月に帰郷し、すぐにセンター発足に加わりました▼藤倉さんはいいます。「人と人とのつながりを取り戻す役割も果たせたかな、と思います」。大勢の人が集まる出会いの場でした。「生きていたのね」「無事でよかった」…。「あの時、私は…」。つらいめにあった市民が、他府県のボランティアに体験をうちあけ、胸のつかえを和らげました▼プレハブの建物の中では、片付けがすすんでいました。土地を返すため年内でひとまず閉じ、場所をあらため支援を続けます。「絆の力」で復興への確かな道へ歩みだす、2012年がきます。