2011年12月26日(月)
消費税増税 意見集約はかる民主党
「反対派」は定数削減とセット
民主党税制調査会(藤井裕久会長)は、26日に開く同党「社会保障と税の一体改革」調査会との合同総会に、消費税など税制「抜本改革」についての党内意見集約案を提示する予定です。
民主党は20日から、野田政権が年内策定を目指す「社会保障と税の一体改革」の大綱素案に盛り込む消費税増税についての議論を始め、連続3日間という急ピッチで進めてきました。
22日の合同総会では、税調役員会が消費税増税の「引き上げ時期や幅」、低所得者層ほど重い負担となる消費税の逆進性への「対策」などの項目を盛り込んだ「骨格案」を提示しました。“議論”といっても消費税増税を見直すわけではなく、いかに具体化するかが焦点になっています。
党税調の議論を仕切る藤井氏は、「2013年10月から8%、15年4月から10%」と、まるで既定路線のようにふりまき、民主党内での消費税議論についても「いろいろ意見がでても、決めるときはビシっとなる。助走が大事だ」(19日のCS番組)としています。
一方、「抜本的な行財政改革をやらないうちに消費税増税は国民への背信行為だ」と、強く野田内閣をけん制する小沢一郎元代表らの議論も重大です。党内で消費税増税反対の署名を集めている、小沢グループの鈴木克昌筆頭副幹事長は藤村修官房長官に、「国会議員も身を切る必要がある」として、増税の前に国会定数削減に取り組む必要があると迫っています。小沢氏と22日会談した鳩山由紀夫元首相は「何としてもやらなければならないのは議員定数削減であり行革だ」と述べたと報じられています。
議員定数削減では野田首相の側も異論はありません。国民の批判をよそに消費税増税のレールづくりに突き進み、同時に国民と国会のパイプを細くする議員定数削減を強行しようとする――民主党内の議論は、国民にとってもきわめて危険です。(林信誠)