2011年12月24日(土)
被災者奨学金 返済免除 制度周知図る
宮本議員に政府が回答
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東日本大震災によって国の奨学金が返せなくなった場合、返済免除が可能になることがほとんど周知されていない問題で、政府は今後、大学などの奨学金担当者に説明するなど「周知を図る」としました。日本共産党の宮本岳志衆院議員が、被災者の実例を挙げて周知徹底を求めたのに対し、23日までに答えました。
東日本大震災で生活基盤などが被害を受け日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金が返せない、または返せなくなるのが確実な人は、政府方針で決定された「私的整理に関するガイドライン」にそって、日本学生支援機構に返済免除を申請することができます。
しかし、同機構や文部科学省はこの制度を被災者に知らせることに消極的で、当初は、返済免除が可能なことを「特に公表する予定はない」(同機構、9月22日)という姿勢でした。その後、同機構のホームページに掲載されましたが、わかりにくいものになっています。
宮城県山元町で津波で自宅が全壊し仮設住宅に住む男性(20歳、来春専門学校卒業予定)が、11月に同機構に問い合わせたところ、応対した職員は「私的整理に関するガイドライン」について説明せず、「そういうことは学校の先生に聞いてほしい」と回答。学校からは「そんな話はない」と言われました。
宮本議員は質問主意書で、この制度について広報を強化し、大学の担当者などに周知徹底するよう求めました。同時に、同ガイドラインでは救済される人が限定されるため、国の責任で被災者の奨学金の返済免除措置をとるよう求めました。