2011年12月24日(土)
武器輸出三原則 緩和へ
27日に官房長官談話 戦闘機 共同開発も
政府は23日、憲法の平和原則に基づいて武器と関連技術の輸出を禁じている「武器輸出三原則」の緩和について、27日に官房長官談話で公表する方針を固めました。同日に安全保障会議を開いて決定し、閣議に報告します。戦闘機などの国際共同開発・生産への参加を盛り込みます。
政府はこれまで、「ミサイル防衛」システムの日米共同開発など、「例外」規定を積み重ねて三原則の骨抜きを進めてきましたが、戦闘機などの正面装備まで「例外」化することで、いよいよ三原則の空洞化・形骸化が加速することになります。
戦闘機などの先端兵器は高性能化・高価格化が進み、NATO(北大西洋条約機構)加盟国を中心に国際共同開発が増えています。政府が航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に選定したF35も、米、英など9カ国の共同開発によるもの。
一方、国内ではF2戦闘機の生産が今年度で終了。生産ラインの停止に強い危機感を抱く軍需企業からは、戦闘機の共同開発に参画できるよう、武器輸出三原則の緩和を求める声が相次いでいました。
また、海外の軍需企業からも「日本が三原則を緩和すれば、レーダーシステムなど日本の技術をわれわれの技術と統合して他の市場に輸出できる」(英BAE社)など、日本の先端技術を兵器開発に利用したいとの狙いも示されています。
三原則の見直しは、昨年12月に民主党が提言したものの、当時の菅政権は連携を模索した社民党に配慮して見送った経緯があります。野田政権は、民主党の前原誠司政調会長の要請を受け、11月下旬から外務、防衛など関係省の副大臣会議で具体的な検討を進めていました。