2011年12月24日(土)
国負担 孤独死防ぐ
仮設住宅に緊急ブザー
厚労省 本紙に回答
厚生労働省は、仮設住宅の孤独死対策として、各戸に緊急ブザーを設置する追加工事を認めると本紙の取材に回答しました。設置にかかる費用は、災害救助法にもとづく国庫負担の対象となります。
緊急ブザーは、屋内の呼び出しボタンを押すと、屋外の警報装置が光と音で周囲に異常を知らせます。高齢者の見守りに有効だとして仮設団地の自治会などから設置を求める声が高まっています。
仮設住宅の孤独死は1995年の阪神・淡路大震災で社会問題になりました。東日本大震災の仮設住宅でもすでに岩手県山田町の女性(79)、宮城県塩釜市の男性(79)、名取市の女性(81)など各地で孤独死が確認されています。
仮設住宅の各戸につける警報装置について、厚労省はこれまで防火対策を念頭にした非常ベルを設置可能だと被災県に通知(10月26日付)しています。しかし岩手、宮城、福島の3県は設置を予定していません。
厚労省は今回、警報装置の呼び出しボタンを居室やトイレ、枕元、風呂場に取り付けるなど、火災以外にも役立つ緊急ブザーとしての設置を新たに認めます。被災県や自治体が設置を決めれば、「病気や火災などの緊急時に役立てることができる」(災害救助・救援対策室)とします。