2011年12月23日(金)
義援金理由の打ち切り不当 生活保護支給認める
南相馬市“3人の勝利裁決”
福島県が決定
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で義援金などを受け取ったことを理由に福島県南相馬市が生活保護を打ち切ったことは不当だとして、打ち切られた同市在住の生活と健康を守る会会員3人が福島県に不服審査請求をしていた問題で、県は22日、3人の請求を認めて処分を取り消すよう決定した「裁決書」を請求人に送付しました。
裁決書は「生活保護制度が、憲法第25条の理念に基づいた最低限度の生活保障のための最後の手段という性格を有する以上、いったん開始された保護を変更、停止・廃止する決定は、慎重になされるべきであると解される」としました。南相馬市の義援金などの収入認定にあたっては慎重に行われずに、臨時訪問など必要な調査も実施せずおこなったことを認定。生活保護法第56条の「不利益変更の禁止に反する」として違法を認めて処分を取り消しました。
日本弁護士連合会の調査活動や3人の申立人の奮闘、生活と健康を守る会の支援活動によって実現した勝利です。
福島県生活と健康を守る会連合会事務局長の弦弓高明さんは「大きな勝利です。裁決は違法な処分であったことを認定しています。同じような処分を受けている生活保護受給者にも直ちに取り消すべきです。県は南相馬市に査察に入り是正させるべきです。南相馬市は重く受け止めて生活保護支給を再開すべきです」と話しています。