2011年12月19日(月)
福島で教育復興シンポ 困難乗り越えて
命つなぎ絆結ぶ学校
福島県内の教育委員会、教育長、PTA、校長会、福島大学などがつくる「大震災後の福島県の教育復興を進める会」が18日、福島市の福島大学で教育復興シンポジウムを開きました。
福島大学の三浦浩喜教授が基調報告しました。三浦氏は、学校が命をつなぎ、絆を結ぶ場になっていることを指摘。子どもたちが困難への適応力を発揮し、おとなたちもコミュニティー再生にとりくみ、教師が子どもたちをまもるために必死に努力していることは「これまでにない新しい可能性を示している」と話しました。
しかし、友だち・親族の離散、度重なる転校での単元まるごとの未履修、希望高校や好きな部活のあきらめ・大きな喪失感があると説明しました。また、長期の運動不足からくる反射神経・抵抗力の低下、「結婚できないんでしょ、子ども産めないんでしょ」と多くの女子がいう絶望感・未来への不安などについても述べました。
そういう新たな事態に対応する学校では、教員が足らず、教員はたいへんな毎日を送っている実情も紹介されました。
「福島ならではの教育の充実を」と、町のつくりかたなど復興そのものを教材にする、子どもたちの発想を復興計画に生かす、など復興教育の実践を提起しました。
パネル討論は、佐久間裕晴川俣小学校校長、山寺精吉福島第二中学校校長、石井芳信川内村教育長、佐藤辰夫県PTA連合会会長、渡辺博志福島大学教授が発言しました。