2011年12月19日(月)
総選挙各党走る(下)
「常在戦場」呼号し引き締め
民主党は来年1月に党大会を開きます。提案する運動方針案(20日正式決定)は、総選挙と2013年参院選について「政権を継続して担うことが最大の課題」と位置付けました。「『常在戦場』の態勢を早期に整備、政権基盤と党、地方組織の徹底的な強化、国政選挙での必勝態勢確立」を強調し、選挙準備を急がせています。
「不退転の決意」
自民党は、谷垣禎一総裁が最近の各種会合で「来年は不退転の決意でたたかう」と決意を示しました。15日の記者会見でも「(政権担当の)資格のない政権を徹底的に追いつめて解散に持っていく」と言明。民自公の「3党合意」路線を一時棚上げしてでも、総選挙を優先して対決姿勢を演出するかまえです。
すでに240以上の選挙区で候補者の選定を終え、残る40選挙区で最終調整中です。公明党との選挙協力協議を非公式に開始。公明党に9選挙区で候補者を譲り、引き換えに全国的な公明党・創価学会の支援を求めます。
公明、党内に活
公明党は11月中に次期総選挙の公認候補者を決定し、いち早く臨戦態勢に入りました。山口那津男代表は15日の中央幹事会で、「年末にかけて党務に力を入れたい。公明新聞と機関誌を啓蒙(けいもう)・推進し、(総選挙に向け)常在戦場だから、地域での役割を果たしてもらいたい」と党内に活を入れました。
みんなの党は「来年4〜6月あたりがポイントの時期」(渡辺喜美代表)と見ています。すでに50人の候補者をそろえました。公募などで最終的に100人以上を立てる作業を加速させます。
渡辺代表は「公明党をはるかに上回る議席を獲得したい」(9日記者会見)と目標を示しています。みんなの党は橋下徹氏が代表の「大阪維新の会」との連携・協力ですり寄り、党の存在感をアピールする選挙戦略を展開しています。
社民党は15日開いた常任幹事会で総選挙対策を集中論議。それを受けて選挙闘争態勢の早期確立を都道府県連に指示しました。
重野安正幹事長は記者会見(15日)で、「消費税を上げて解散するのか、消費税を争点に総選挙になるかわからないが、おおむね新年度予算があがったという段階が一つの時期になる」として、来年3月前後からの解散時期を想定しています。
「『来年前半には総選挙ですから、何とか頼みます』という依頼が政党から、政治家から目立ってきました」。大手企業の総務担当者は語ります。(おわり)