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2011年12月14日(水)

きょうの潮流

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 元素の名前のつけ方には、おおよそのしきたりがあります。人物や土地、星や金属、神話の神々などの名をとります▼たとえば、キュリウムはキュリー夫人ことマリー・キュリーにちなみます。彼女が発見し、祖国ポーランドの名前をつけた元素がポロニウムです。ウランは、天王星(ウラノス)からきている名です▼ストロンチウムの語源は、土地でもあり石でもあります。スコットランドのストロンチアン地方特産、ストロンチアン石に含まれていました。毒性は低い。ところが、核分裂で出てくる人工のストロンチウム90は、人体にもっとも危険な放射性物質の一つです▼骨にたまりやすく、長い間にわたってベータ線を出します。骨髄の免疫細胞を傷つけ、骨のがんや白血病を引き起こす、といいます。子どもが人体にとりこむ危険は、おとなの5倍から7倍ほど大きい▼事故の起こった福島第1原発から、濃度の高い放射性ストロンチウムを含む汚染水が、海に流れ出していました。魚介類は、ストロンチウム90をためやすい。魚の骨などを通じて、人の体に入り込む心配もぬぐえません。しかも、濃度を国の定める基準以下まで下げる方法も決まっていません▼にもかかわらず東電は、汚染水を海に放出し続けるつもりでした。さすがに漁業者の抗議で計画に盛り込めませんでしたが、命や環境をなんと心得ているのでしょう。事故から9カ月たち、各地で次々に発覚し、広がる放射能汚染。東電の無責任ぶりに、つける名も知りません。


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