2011年12月13日(火)
保安院
中長期計画は妥当
「冷温停止」へ 実態は程遠く
経済産業省原子力安全・保安院は12日、東京電力が提出していた福島第1原発の中長期施設運営計画について妥当と判断したことを明らかにしました。保安院から報告を受けた原子力安全委員会も認めました。政府が16日に予定している同原発の「冷温停止」宣言への“地ならし”がすんだことになります。
「冷温停止」は国と東電が、原子炉圧力容器底部の温度が100度以下となり、放射性物質の放出が抑えられている状態としているもの。計画は、「冷温停止」を実現した後、3年間程度安定した状態を維持するための対策で、原子炉への注水の確保や燃料が連続的に核分裂する「再臨界」の防止、タービン建屋地下などにたまっている高濃度放射能汚染水の処理などについて説明しています。
東電は現在、1〜3号機で圧力容器底部の温度が100度以下になっているとしています。しかし、東電自身、温度の測定結果には40度の幅があると認めています。
大気中への放射性物質の放出は事故当初の数百万分の1に減少したとしていますが、4日に大量の放射性ストロンチウムを含む汚染水が海へ漏れ出すなど、広い範囲が汚染される危険性が依然として続いています。
福島第1原発の現状は、国と東電の基準に照らしても「冷温停止」から程遠いのが実態です。