2011年12月13日(火)
モスクワ5万人集会
「公正な選挙を」数十都市で
大統領、不正調査を指示
ロシア下院選挙で不正があったとして、選挙の無効などを求める集会・デモが始まってから12日で1週間たちますが、運動は衰える気配を見せていません。10日には、モスクワで今までにない5万人集会が開かれるなどロシア各地の数十都市で抗議集会・デモが催されました。(片岡正明)
現地からの報道によると、10日のモスクワの抗議集会では、主催者側発表で約5万人(警察発表で2万5000人)が参加し、「投票を盗むな」「プーチンなきロシアを」と連呼するなど長期にわたり強権政治を続けているプーチン首相の退陣を求めました。
参加者は交流サイトの「フェイスブック」などの呼び掛けに応じたもの。英BBC放送によると、初めて政治集会に参加する人も多く、「(選挙不正で)だまされて国民は本当に腹立たしいと思っている。集会が必要だ」(45歳男性)との声が上がっています。市民団体や少数政党のほか、西側に近い野党ヤブラコ、ロシア共産党なども参加しました。
下院選挙ではプーチン首相の率いる与党、統一ロシアがかろうじて過半数を確保。しかし、同党によると疑われる不正の映像が動画サイト「ユーチューブ」上に次々と投稿されたことをきっかけに、抗議運動が全国に広がったものです。
10日の抗議行動は、サンクトペテルブルクで1万人が参加。西シベリアのノボシビルスク、中部のエカテリンブルクなどで数千人規模となりました。各地の集会では、不正疑惑の捜査や選管幹部の辞任から、公正な選挙制度への改革などさまざまな要求が掲げられました。抗議行動は11日にもモスクワで実施されました。
抗議行動に押されるかたちでメドベージェフ大統領は11日、「フィスブック」で、集会のスローガンや声明には賛同できないが、「選挙法が順守されているかどうか、各投票所の調査を指示した」と伝えました。