2011年12月11日(日)
野田内閣 税制「改正」大綱を決定
財界・大企業の要望認める
野田佳彦内閣は10日未明の臨時閣議で、2012年度税制「改正」大綱を閣議決定しました。研究開発減税の上乗せ措置を2年延長することや、自動車重量税の減税などを盛り込みました。
研究開発減税の上乗せ措置(11年度末が期限)の延長や自動車重量税など車体課税の「見直し」は、日本経済団体連合会(経団連)や日本自動車工業会(自工会)などの業界団体が強く求めていたものです。大企業のリストラを後押しする産業活力再生特別措置法による登録免許税の軽減措置(11年度末が期限)の2年延長も盛り込みました。
民主党は、09年の総選挙で、一部の大企業を優遇する租税特別措置の見直しを掲げていました。しかし、野田内閣は法人実効税率の5%引き下げを実施する一方、研究開発減税などの租税特別措置については、財界・大企業が求める優遇税制の延長を軒並み認めてしまいました。
自動車の車検などの際にかかる自動車重量税は、上乗せ税率を引き下げることで1500億円の減税を実施。さらに、11年度第4次補正予算案で、3000億円規模のエコカー補助金を創設することを盛り込みました。
大綱は、「所得再分配機能の回復」を理由に、所得税・住民税の給与所得控除について、収入が1500万円を超える層に245万円の上限を設定しました。しかし所得再分配機能を低下させてきた主因である証券優遇税制や所得税の最高税率の引き上げには手を付けませんでした。