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2011年12月10日(土)

きょうの潮流

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 昭和三陸津波が押し寄せた1933年、石巻は市となりました。1973年、市制40年を記念して、ふるさと賛歌がつくられます▼カンタータ「大いなる故郷石巻」です。石巻で家業を継いでいた石島恒夫さんの詞に、地元出身の作曲家、小杉太一郎さんが曲をつけました。すでに2人とも故人ですが、3・11をきっかけに初演の録音がCDによみがえりました▼朗読に「斎太郎節」も交え、「大漁の歌声」をききながら海とともに生きてきた故郷をたたえます。江戸時代の涙の歴史も忘れません。お金の鋳造場でのきびしい労働に引き裂かれた、職人と妻の愛の物語。月の浦の港からはるかローマへ向かった支倉(はせくら)常長らの、8年にわたる無念の旅…▼若きコバケンこと小林研一郎さん指揮の東京交響楽団と石巻合唱連盟に、独唱陣を加えた演奏です。初演の熱気と故郷への切々とした思いが、聴く者をうちます。「大いなる 黒潮(うみ)の故郷に幸いあれ」▼いま、石巻市の試練のときが続きます。合併で広がった石巻の44漁港すべてが、津波の被害をうけました。支倉常長らが旅立った、月浦もそうです。うち、多くの港の再建が危ぶまれています。宮城県は、漁港の仕事を、拠点と定める18港にまとめる考えです▼漁業権を大会社に渡す「水産特区」や、環太平洋連携協定(TPP)の動きも控えています。昔から“一つの村に一つの漁場”とされ、港は地域社会のよりどころでした。カンタータは歌いあげます。「みんな 幸せ/大いなる 故郷」


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