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2011年12月8日(木)

労働者派遣法骨抜き強行

政権交代の原点放棄

国民裏切る民主

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 民主党が、自民、公明両党と一緒になって7日の衆院厚生労働委員会で政府の労働者派遣法改定案の骨抜きを強行したことは、政権交代の原点を投げ捨て、財界の“使い走り”となって国民・労働者を裏切ることです。

 派遣法は1999年に原則自由化、2003年には製造業派遣にまで拡大。「ワーキングプア」を広げ、自公政権がすすめた「構造改革」路線の象徴として国民から批判を浴びました。08年には「派遣切り」が社会問題となり、二度と繰り返してはならないという世論とたたかいが政権交代へとつながり、10年4月に出されたのが改定案でした。

 これには「製造・登録型派遣の原則禁止」などが盛り込まれ、当時の鳩山首相は「内閣の最重要課題」と大みえをきりました。しかし、「原則禁止」といっても製造業派遣では短期契約を繰り返す「常用」型を例外としたり、登録型派遣では「専門26業務」を例外にするなど大きな抜け穴がありました。

 この抜け穴をふさぐことが求められましたが、自民、公明両党は、反対に派遣労働の規制緩和を求める財界・大企業の要求に応えて、「アンチビジネス(反企業活動)」と攻撃。法案は1年半以上もたなざらしにされ、再び製造業で派遣労働者が増加し、東日本大震災を契機に再び「派遣切り」が繰り返されてきました。

 民主党政権も、これまで以上に財界いいなりの野田政権になったとたん、自公の「修正」を丸のみし、強行採決に踏み切ったのです。

 7日に行われた衆院厚生労働委員会の質疑はわずか3時間。「派遣切り」された労働者に対する参考人質疑も行われませんでした。3党の密室談合で骨抜きにし、まともな審議もせず押し付けるなど許されません。

 09年の「年越し派遣村」の集会には全政党の代表が参加し、派遣切りを二度と起こさせないと誓いました。寒空の下にほうり出された労働者のことを3党は忘れてしまったとでもいうのでしょうか。

 日本共産党は、派遣労働の自由化にも製造業への拡大にも反対した唯一の政党として、無法な「派遣切り」をやめさせるために経団連やトヨタ自動車に直談判。国会では製造業派遣はどんな形であれ禁止し、仕事のあるときだけ働く登録型派遣は専門業務を厳しく限定する―など抜本改正を求めてきました。だれが労働者・国民の願いに応えているのかは明らかです。

 派遣法の抜本改正だけでなく、米軍・普天間基地問題でも消費税増税問題でも公約を投げ捨て、自公政権とみまがうばかりとなった民主党政権。「いったい政権交代は何だったのか」との怒りの声が広がっています。財界に付き従い、自公両党と一緒に古い政治を押し付けようとすれば、労働者・国民からの厳しい審判は避けられません。 (深山直人)


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