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2011年12月6日(火)

きょうの潮流

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 42年続いたテレビ時代劇「水戸黄門」が、19日の放送で終了します(昨日付16面)。「この紋所が目に入らぬか」で、おなじみの印籠、人生の応援歌そのものである主題歌、勧善懲悪のストーリー。無くなってしまうのは、あまりにも残念です▼歴代黄門の思い出も人それぞれでしょう。初代の東野英治郎さんに始まり、最後の黄門となった里見浩太朗さんは5代目。黄門に仕える“助さん”役も17年演じています。たすきを次につなげなかった無念さは、いかばかりでしょうか▼ゴールデン帯で放送される民放時代劇の最後の砦(とりで)であったレギュラー枠が消えてしまうことに、危機感も高まっています。特に大きな打撃を受けるのは時代劇のメッカ、太秦(うずまさ)の撮影所を抱える京都です▼かつら、衣装、小道具…。職人の匠(たくみ)の技は、現場あってこそ継承できます。俳優も、立ち居振る舞いといった時代劇の所作は、一朝一夕には身に付きません。先輩から後輩へ。演技を通して受け継がれていきます▼1970年代初頭の全盛期には30本以上のテレビ時代劇が放送されたといいます。「分岐点となったのが、九六年からの個人視聴率の導入だった」と、フジテレビの元プロデューサーである能村庸一さん。「これにより購買力が弱いとされる高齢者を主力視聴者層に持つ時代劇は、大打撃をうけることになった」(『時代劇の作り方』)▼視聴率至上主義、コスト削減の行き着く果ては何か。いったん途絶えた伝統文化を再びたちあげることは、容易ではありません。


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