2011年12月5日(月)
“平和で公正な共同体を”
中南米カリブ海首脳会議 宣言採択
【メキシコ市=菅原啓】中南米の全33独立国が参加する新しい地域機構「中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)」設立のため、ベネズエラのカラカスで開催されていた首脳会議は3日、設立経過や共通原則をまとめた「カラカス宣言」などを満場一致で採択し、閉幕しました。
宣言は、公正かつ民主主義的で自由な社会を建設することが加盟国の「共通の願い」だと指摘し、国連憲章の目的と諸原則に改めて支持を表明。CELACの活動の「共通原則」として、紛争の平和的解決、武力行使とその威嚇の禁止、自決権と主権、領土保全の尊重、各国の内部問題への不干渉などを挙げています。
宣言はまた、植民地主義や軍事占領のない平和で「多極的かつ民主的な世界」のために貢献する立場や、各国国内の社会的不平等の削減に向けた社会政策面での協力強化の方向を強調しています。
会議では、加盟国でクーデターが発生した場合の対処方針を示した「民主主義と憲法体制の擁護に関する特別宣言」を採択。民主主義回復のために外交交渉を進め、共同体への参加資格停止措置をとるなどしてクーデター政権に圧力をかける方向を明らかにしました。
このほか、米国の対キューバ封鎖措置の即時解除を求める声明、経済のかく乱や食料価格高騰の要因となっている投機資本の活動を批判する声明などが採択されました。
閉会式では、来年第1回首脳会議を開くチリを議長国として確認。あいさつに立った同国のピニェラ大統領は、「中南米とカリブ海の時代が到来した。課題の達成のため、団結し希望をもって働いていく」と決意を表明しました。