2011年12月2日(金)
防衛省
日米空中給油 隠す
昨年12月 NATO軍方式で訓練
米空軍と航空自衛隊が昨年12月、北大西洋条約機構(NATO)軍の実戦で使われる空中給油方式を日米間でも導入する覚書の締結に基づき初めて実施した空中給油訓練を、防衛省が公表していなかったことが1日明らかになりました。
同省は、覚書が昨年10月に締結されたことを今年10月に発覚するまで明らかにしなかったばかりか、通常公表している日米共同訓練の実施さえ隠していたことになります。
覚書は、NATO軍が定める手順に基づく日米の空中給油訓練の実施を盛り込んだもの。本紙の問い合わせに対し防衛省は、覚書に基づき、昨年12月17日、米空軍嘉手納基地(沖縄県)のKC135空中給油機1機が空自那覇基地(同)のF15戦闘機4機に給油する訓練を行ったことを認めました。
覚書では空自が給油を受けるだけでなく、米軍機に給油することも可能になります。適用範囲が、海外で軍事作戦を行う米軍への支援にまで広がれば、憲法違反の集団的自衛権の行使につながる重大問題です。
防衛省は「訓練の位置付けや性格などに何ら変化が生じるものではないことから、報道発表するには及ばないと判断した」としています。しかし、本紙が昨年度1年間の日米共同訓練すべてを明らかにするよう求めた情報公開請求に対しても同省は今回の訓練を明らかにしておらず、意図的な情報統制の疑いが濃厚です。