2011年12月1日(木)
洋上に浮かべ風力発電実験
福岡市
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従来の風車の2〜3倍の発電能力があるとされる新技術、「風レンズ風車」を用いた洋上風力発電の実証実験が30日、福岡市の博多湾で動き出しました。九州大学が開発・研究を進めているもので、浮揚力のある構造体(浮体)を洋上に浮かべての発電実験は、世界初の試みです。
晴れ渡った青空の下、陸上で組み上げられた直径18メートル、重さ130トンの六角形の浮体がクレーンでつり上げられ、海面に着水。その後、浮体の上に出力3キロワットの小型風レンズ風車2基と計1・5キロワットの太陽光パネルを取り付ける作業へと移行しました。
風レンズ風車は、通常の風車の羽根に円形状の“つば”を装着することで、周辺の気圧を変化させ、同じ風速でも羽根の回転速度が飛躍的に向上。懸案の騒音も解消しました。
風車取り付けが完了し、海面から垂直に起こすと、勢いよく羽根が回り始めました。考案した九大応用力学研究所の大屋裕二教授は「風力、太陽光だけでなく、将来的に波力や潮力などを併用すれば、全体のコストパフォーマンスを上げることも期待できます。この実験を第一歩に複合的活用を可能にする海洋エネルギープラント(基地)を実現したい」と構想を語りました。