2011年12月1日(木)
「原発輸出ありえない」
環境3団体 政府に抗議
政府が国会承認を急いでいる4カ国(ヨルダン、ベトナム、ロシア、韓国)との原子力協定の承認に反対している環境団体3団体が30日、衆議院第2議員会館内で会見し緊急声明を発表しました。
声明は、ヨルダンの原発予定地の近くには大都市があり、事故時には「100万人以上の周辺住民の避難などが極めて非現実的であり、テロのリスクも高い」と指摘。ベトナムについては「事業地がヌイチュア国立公園と隣接・重複していること、絶滅危惧(ぐ)種のアオウミガメの生息地」とのべ、原発輸出・拙速な原子力協定批准に抗議しています。
エフ・オー・イー・ジャパンの満田夏花理事は、「世論調査でも3分の2の人が原発輸出に反対している。原発事故の被害の全体像もつかめない中での原発輸出はありえない」と話しました。
「環境・持続社会」研究センターの田辺有輝理事は「ヨルダンの原発予定地は、冷却水の確保が困難な内陸にあるなど、問題点が多い。日本でも廃棄物処理の方法も決まっていないものを相手国に押し付けることになる」とのべました。
メコン・ウォッチの木口由香事務局長は、「モンスーンの影響で、ベトナムで原発事故があったときには放射性物質が遠くまで飛ぶのではないかという懸念をタイの人たちは持っている」と周辺国に不安が広がっていることを紹介しました。