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2011年12月1日(木)

福島原発

溶融燃料65センチ侵食

格納容器床 あと30数センチで貫通

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 東京電力は30日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1〜3号機の原子炉内で溶融した核燃料の損傷状況を解析した推定結果を発表しました。

 それによると、1号機では溶融した燃料は圧力容器底部から格納容器へ「相当量」が落ち、2、3号機では一部が格納容器へ落下したと推定。落ちた燃料はさらに熱によって格納容器底部の床にあるコンクリートを分解して侵食する「コア・コンクリート反応」が発生し、1号機では最大65センチ侵食したとしています。

 東電の解析によると、注水できなかった時間が2、3号機より長かった1号機では、地震発生前に燃料があった位置から完全に溶けて圧力容器底部にすべて落下。落下した燃料によって圧力容器底部が損傷し、さらに格納容器底部に、燃料の相当量が落ちたと推定しました。

 燃料の落下量などの推定から、格納容器底部にたまった燃料などの堆積物の厚さは81センチ。燃料の熱で格納容器の床のコンクリートを分解・侵食する「コア・コンクリート反応」が発生したとしています。コンクリートの厚さは約1メートルで、侵食は格納容器を覆う鋼板を突き抜けるまで残り三十数センチのところまで達していたことになります。

 2、3号機では、約6割の燃料が格納容器底部に落下したとして解析。格納容器底部の床でコア・コンクリート反応による侵食の深さは2号機で最大12センチ、3号機で同20センチと推定しています。

 東電は、注水によって燃料のほとんどは水に接しており、コア・コンクリート反応は現在、停止しているとしています。

 また、同日、経済産業省原子力安全・保安院が開いた「炉心損傷推定に関する技術ワークショップ」では、エネルギー総合工学研究所が独自に1号機の格納容器底部でのコア・コンクリート反応を解析した結果を発表。侵食の深さは2メートル未満だと推定しています。

 1〜3号機の原子炉でコア・コンクリート反応が起こった可能性については、これまでも研究者から指摘されていました。しかし、東電は大規模なコア・コンクリート反応はなかったと説明してきました。


 コア・コンクリート反応 溶融した核燃料が格納容器底部などにあるコンクリートの上に落下した時に起こるもので、コンクリートが溶けるとともに水素などのガスが大量に発生します。大量に発生するガスによって格納容器内の圧力が高くなるだけでなく、可燃性の水素が大量に発生することで爆発の危険性が高まります。爆発すれば、大量の放射性物質が外部に放出されます。


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