2011年12月1日(木)
小沢マネー1億2500万円 参院候補に
旧新生資金など収入3億超
政治資金報告書
民主党元代表の小沢一郎被告=政治資金規正法違反の罪で公判中=が疑惑の渦中にあった2010年も3億円を超す巨額資金を集める一方、同年夏の参院選で民主党新人候補19人の陣営に1億2500万円を配布していたことが、30日公表の政治資金収支報告書で明らかになりました。収入には旧新生党の残資金も含まれており、小沢被告の姿勢が改めて問われます。
候補者への資金配布は、小沢被告の資金管理団体「陸山会」を通じて行われました。参院選公示直前の6月21日から選挙期間中の7月5日にかけ、徳永エリ(北海道選挙区)、岡部まり(大阪選挙区)両候補に各1500万円、小西洋之候補(千葉選挙区)ら16人と党鹿児島県連に各500万円を配りました。当時の党道連代表にも1000万円を寄付。徳永陣営の支援に使われたとみられます。
収入では陸山会や小沢被告が支部長の民主党岩手県第4区総支部、関連政治団体の小沢一郎政経研究会など、関連政治団体間の資金のやりとりを差し引きすると判明分で約3億2000万円の実収入がありました。
立法事務費含む
陸山会の収入は、2億9501万円で国会議員関係団体では2番目。そのうち2億388万円は“第2の財布”である党岩手県第4区総支部からの寄付です。同支部には、旧新生党の資金を継承した改革フォーラム21が、同年6月18日に1億円を寄付し、同日に同支部から陸山会に1億円が寄付されたことが明らかになっています。旧新生党資金には、公金である立法事務費も含まれています。
小沢被告は、09年衆院選でも91人に約4億5000万円を提供。その際も3億7000万円が改革フォーラム21から同支部を経由して陸山会に流し込まれています。
政治資金規正法では、政治団体間の寄付は上限が年間5000万円。しかし政党支部と政治団体間の寄付は無制限で、支部を介した陸山会への迂回(うかい)献金の疑いが指摘されています。
複数の団体利用
小沢被告への個人献金には、複数の団体を利用した高額献金もあります。政治資金規正法によると、政治家の資金管理団体や政治団体への一人当たりの個人献金の上限は1団体150万円で、総枠は1000万円。政党支部には2000万円までです。
東京都港区の会社役員は、小沢被告関連の複数の政治団体に上限の150万円で計900万円、党岩手県第4区総支部に1000万円を寄付しています。
寄付した団体には改革フォーラム21も含まれており、同団体を小沢氏が私物化していることを裏付けるかっこうになっています。
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