2011年12月1日(木)
政治資金Q&A
Q 政治資金収支報告書って何が書かれている
A 政党や政治団体の1年間の収支と資産状況を記載したものです。議会制民主政治の健全な発達を目的として、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の公表が政治資金規正法で定められています。
今回公表されたのは2010年分で総務相に提出されたもの。政党や政治資金団体、二つ以上の都道府県にわたり活動する政治団体が対象です。報告書を提出した団体は3557団体でした。
主に都道府県内で活動する政党支部や政治団体は都道府県選挙管理委員会ごとに順次公開されます。そのため、政治資金の全体像が一度に把握できない問題があります。
Q 報告からわかることは
A 収入では年間5万円超の献金者と1回で20万円を超える政治資金パーティーのパーティー券購入者、支出では政治活動費として1件5万円以上を支払った相手の名前と住所が報告書に記載され、政治資金の授受がわかります。
国会議員関係の政治団体については、人件費を除く1万円超の支出の報告書記載と領収書写しの添付が義務付けられ、1万円以下は請求があった場合、開示の対象となります。
2010年の政治資金全体の収入額は1166億8500万円で、前年比6・2%減。支出額は前年比16・6%減の1161億3100万円となりました。
Q 政治団体はどんな団体
A さまざまな政治結社のほか、政治家などが政治資金の受け皿として指定する資金管理団体、政治家の後援会組織などが広く含まれます。
民主、自民、公明、みんな各党などの国会議員は、自らが代表を務める政党支部をもち、ほかにも複数の後援会組織をもっていることが少なくありません。政治団体の間で「寄付」を繰り返し、規制の網の目から逃れようとする政治家もいます。
また、政党への資金援助を目的とする政治資金団体があります。民主党は「国民改革協議会」、自民党は「国民政治協会」、公明党は「公明文化協会」、国民新党は「国民新党友の会」、たちあがれ日本は「真政協会」という政治資金団体をもっています。
日本共産党は、政党中心の政治活動を中心とし、政治資金は政治家個人でなく、中央委員会、都道府県委員会、地区委員会が責任をもって取り扱い、総務相や都道府県選管に報告しています。
Q 規制はどうなっている
A 企業・団体献金については、政治家個人の資金管理団体への献金は禁止されていますが、実効性のある規制にはなっていません。
政治団体から政党、政治資金団体への献金には上限がありません。一方、政治団体から政治団体への献金には「年間5000万円以内」の上限が設けられています。
国から補助金を受けている企業や3事業年度以上にわたり赤字を続けている企業は、政党または政治資金団体に対して寄付をすることはできません。
政治家の蓄財に使われてきた資金管理団体については2007年8月6日以後、新規に、土地もしくは建物の所有権または建物の所有を目的とする地上権もしくは土地の賃借権を取得し、または保有することが原則として禁止されています。
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