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2011年12月1日(木)

きょうの潮流

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 「妻も『警察が尾行しているなら悪いこともできなくてちょうどいい』なんて言って笑っていました」。前川禮三(れいぞう)さんが振り返っています(「救援新聞」5月25日付)▼警察が、息子の彰司さんを殺人事件の容疑者とみなし、調べ始めたころの話です。福井女子中学生殺人事件。禮三さんと妻の真智子さんが、冗談めいた会話を交わしたのも当然です▼事件があった日、前川さん宅では、家族の食事会を開いていました。いっしょに中華料理をつついていた息子が、どうしてよそで人を殺せる? ところが警察は、事件から1年後、彰司さんを逮捕します▼「ぼくはやっていない」。彰司さんと家族のたたかいが始まります。逮捕の決め手は、“血のついた服装の前川に会った”という暴力団関係者の証言でした。彼は、別件で捕まった自分の減刑とひきかえに、「警察のストーリー」に沿うでたらめ話をしたのです▼証言を信用せず無罪とした地裁に対し、信用できるといった高裁も最高裁も有罪にします。しかし、「やっていない」の叫びが、ついに裁判のやり直しをよびこみました。事件から25年。46歳になった彰司さんは、こう語ります▼「十字架を背負って服役する、冤罪(えんざい)で苦しむ人たちにメッセージを送りたい」。いつ誰が“犯人”に仕立てられるか分からない、冤罪の恐ろしさ。彰司さんを支援する国民救援会は、冤罪とみられる事件がほかに22件あると考えます。警察が真犯人を捕らえようとしないなら、被害者も浮かばれません。


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