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2011年12月2日(金)

52万票の重み 今後の展望は

どうみる 大阪ダブル選結果

記者座談会

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 全国的に注目を集めた大阪市長選、府知事選は、橋下徹前知事が率いる「大阪維新の会」の両候補の当選という結果に終わりましたが、これをどうみるのか、今後のたたかいの展望は、担当記者で話し合いました。


短期間での追い上げ

写真

(写真)志位和夫委員長を迎えて開かれた街頭演説。手前は梅田章二知事候補、左は渡司考一元市 議=10日、大阪・難波

 A 「独裁ノー」「大阪の民主主義を守ろう」と訴えた平松邦夫市長候補は敗れたとはいえ、52万2641票を獲得、得票率は41・04%に達した。

 B 投票率が60%を超えたことはあるが、これまでの大阪市長選挙で50万票を超えた候補者は、1975年の大島靖氏以降、いないからね。

 C 10月末には、「ダブルスコアで橋下氏が圧勝」という世論調査もあったが、短期間でここまで追い上げてきたわけだ。

 A 「東京」(29日付)は平松票に着目し、「4割強の民意は無視?」という特集を組み、「これ(平松票)は決して軽んじてよいものではない」との識者の声を紹介している。

 C 橋下氏自身も、当選後の記者会見で、「反対者の数が数十万人ある。それをしっかり受け止めなければならない」と述べざるを得なかった。

不出馬表明が契機に

 A 市長選の告示前に「大阪市をよくする会」の渡司考一氏(日本共産党元市議)が「独裁政治を許さない」の一点で不出馬を表明し、会と日本共産党が「独裁ノー」を掲げる平松氏の自主的支援を決定したことが「反独裁」の府民の共同を加速する契機となったことは間違いない。

 B 会や共産党には、「今回の決断は多くの人に元気とやる気を与えた」と、多くの歓迎の声が寄せられた。

 C 自民党のある国会議員は「共産党の支持表明には正直驚いた。それほど重大なことなのだと改めて思った」と語り、その後街頭でも平松氏の応援演説に力を入れていた。

 B 平松氏が選挙中、旭区の街頭で渡司氏の激励を受けたとき、「選挙で勝ったら何でもできるという人にこのまちを渡すわけにはいかないという気持ちを(渡司さんが)ここに集めていただいたことを心から感謝します」と訴えたことがある。

 C そのとき、大勢の聴衆から湧き起こった力強い拍手が忘れられない。

「独裁」の是非が争点

 A たたかいの大義を打ち立てたという意味では、知事選告示日(10日)に駆けつけた日本共産党の志位和夫委員長の演説が大きかった。志位氏は「今回の選挙戦の最大の争点は、橋下・『維新の会』による独裁政治を許すのか、民主主義を守り抜くのかにある」として、憲法違反の「独裁3点セット」―「大阪都構想」「教育基本条例案」「職員基本条例案」を批判した。

 B あの演説でなぜ「独裁政治」と呼ぶのかわかったという声もあった。

 A ある新聞が「市長選 『独裁』是か非か」と争点を報じたのも、志位演説の直後だ。

 B その後、「明るい民主大阪府政をつくる会」は「なぜ『独裁政治』とよぶのか―事実を見てください」と見出しをつけたビラを作り、大阪市内だけでも約120万枚の全戸配布を行うなど攻勢的な宣伝・対話を繰り広げ、「反独裁」の府民の共同が大きく広がっていった。

反動拠点にさせない

 C 教育基本条例案に対し、すでに広がっていた府教育関係者らの反対に続き、堺市では労組の垣根をこえた共同アピールが出されるなど、立場をこえた共同が勢いづいた。

 B 大阪労連など七つの労組が「独裁政治を許さない行動を」との共同アピールを出し、連合大阪事務局長が「同じ思い」とコメントするなど労働運動でも「反独裁」の声が広がった。

 A 女優の竹下景子さんら68人が名を連ねた教育基本条例案反対のアピールも「橋下氏 東からも逆風」(「スポーツ報知」18日付)と大きく報道された。

 C 最終盤、平松氏の支援団体・「元気ネット大阪」も、それまでよりはっきりと「立場を超えて大阪は独裁NO!」と明記したビラを作り、多くの人々の協力で1日に100万枚近くを配布するなど、かつてない奮闘が広がったと思う。

「反独裁」共同の広がり

 B 選挙結果は、「独裁を許さない」という今後のたたかいの土台をつくったことは間違いないね。

 A そうだ。28日付のマスコミ各紙の社説も「独裁」にくぎを刺している。「東京」は「独裁者になっては困る」と題している。「読売」も、「相手候補が『独裁的』と攻撃したのは、もっともな面もある。橋下氏は批判票を謙虚に受け止めるべきだ」と指摘した。

 C 「日経」は、「教育行政への首長の権限を強化する教育基本条例に対しては様々な批判が出ている。橋下氏はこうした声に謙虚に耳を傾けてほしい」と注文をつけている。

 B 選挙戦で、橋下氏・「維新の会」は、日本共産党が憲法違反だと指摘した「独裁3点セット」への批判に対して、何らの反論もできず、その中身について、市民にまともに語ることをしなかった。

 A 「選挙公報」で、教育基本条例について一言もふれないで、一部の街頭演説で、「勝ったときは教育現場が劇的に変わる」といっていただけだが、選挙後、「選挙結果を重く受け止めろ」とさっそく、恫喝(どうかつ)している。彼は記者やキャスターに「まったくの勉強不足」とよく脅しているが、独裁者の一面が浮き上がっている。

 C 今回の結果は、国政と地方政治に対する閉(へい)塞(そく)感と不信感の広がりが背景にあったのは間違いない。しかし、それを反動的に利用するのは許されない。

 B 「反独裁」の一点で広がった府民的共同に確信を持って、2条例をはじめ、大阪を反動的な独裁政治の拠点とさせないたたかいを、いっそうすすめる必要があるね。


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