2011年11月29日(火)
「安全神話」 反省を
安全委「当然のご批判。真剣に受けとめる」
東電・国ただす
原発運動センター
原発問題住民運動全国連絡センター(伊東達也筆頭代表委員)は28日、東京電力と国の原子力安全委員会、経済産業省原子力安全・保安院を訪れ、福島第1原発事故の早期収束、放射能汚染地域の除染、被災者への損害賠償などの責任を果たすよう申し入れ、16人が参加しました。
早期収束・除染・賠償を要求
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東電では、同センターと原発の安全性を求める福島県連絡会(現・原発問題福島県民連絡会)が早くから津波による重大事故の危険性を明らかにし、対策を求めてきたことをあらためて指摘。さらに想定している津波の高さをはるかに超える津波が襲来すると2008年に東電自身が試算したにもかかわらず、抜本的な対策をとらなかった問題を追及しました。とくに、その時の試算データを国の審議会にさえ出さなかったことは、東電の他の原発でもデータを隠しているのではないかという危惧がぬぐえないと指摘しました。これに対して東電側は、今後の検証の対象だと回答しました。
安全委員会に対しては、1992年の文書で過酷事故のリスクを過小評価したことが新しい「安全神話」を振りまいたと批判。担当者は「当然のご批判。真剣に受け止めねばならない」と答えました。
また、保安院では、推進機関から同院が独立していないこと、やらせ問題では「推進機関の露払い役」ではなかったかとただしました。保安院側は「やらせ問題で国民の信頼を損ねたのは事実だ」と述べるにとどまりました。
参加者からは「具体的に指摘してきたことが何も生かされていない。検証している雰囲気はみられず、教科書を読むような回答だ」と声が上がっていました。
福島第1原発から約15キロの自宅からの避難生活を強いられている早川篤雄・同連絡会代表も参加。東電に対し、孫と田植えした思い出の写真と荒れ果てた現状の写真を示しながら「チェルノブイリさながらだ。帰れたとしても若い者はほとんど戻らない。マイナスからの再出発だ。人災として責任をもって、地域に住民が戻るように何年先までも賠償してほしい」と苦しみを訴えていました。