2011年11月26日(土)
社会内処遇が有効
井上議員 刑法等改正案で強調
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24日の参院法務委員会で、刑法等の改正案などが審議入りしました。現行法では、刑期全部の実刑か刑期全部の執行猶予かしかありません。改正案は、3年以下の懲役・禁錮の執行を一部猶予する制度を創設することや、保護観察対象者に社会貢献活動の義務付けを可能とすることなどを盛り込むものです。
日本共産党の井上哲士議員は、施設内処遇を減らし保護観察などの社会内処遇を拡充することは「再犯防止や社会復帰促進のうえで有用性は明確だ」と指摘。1990年に国連総会で採択された「社会内処遇措置のための国連最低基準規則」(東京ルール)にも合致していると述べました。
その上で井上氏は、これまで全部執行猶予だった判決が、「ショック効果」をねらった一部実刑の判決が下されるなど厳罰化が進行するのではないかという懸念が示されていることを指摘しました。法務省の稲田伸夫刑事局長は「社会内処遇を実施し、再犯防止や改善更生をはかることを趣旨」としており、裁判実務に照らしてもそのような運用は考えられないと答えました。
井上氏はまた、薬物依存者が一部執行猶予になり民間のリハビリ施設に入所した時などに薬物の再使用があった場合、治療の過程だととらえた対応が必要ではないかと質問。法務省の青沼隆之保護局長は「薬物については治療的な観点、福祉的な観点が重要だ」と述べました。