2011年11月25日(金)
復興庁設置法案に対する
穀田国対委員長の質疑
衆院本会議
日本共産党の穀田恵二国対委員長が24日の衆院本会議で行った復興庁設置法案に対する質疑は次の通りです。
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復興の基本原則は被災者の生活と生業の再建です。国の支援策は被災者の意向にそって対策を具体的にすすめていくべきです。上からの計画を押しつけるものではいけません。復興のための組織もこの基本原則が大事です。
肝心なことは、国が何をどこまで支援するのか具体的なメッセージをはっきり示すことであり、国の支援がどうなるかわからないため、被災地域、自治体は具体的な計画がつくれない、ここに復興を遅らせている一番の原因があります。
具体的に被災者の住宅や事業所などの再建や生業再建、二重債務問題など、国による支援の中身を明確にし、自治体の再建計画づくりを支援し、その内容を最大限尊重して推進することが重要です。
復興庁は岩手、宮城、福島に復興局をおき、ワンストップで被災自治体の要望に対応するというが、現行と何が変わるのか。被災自治体が「所管省庁に何度も足を運ぶということのないように、一元的窓口」が可能になるのか。復興庁の職員体制を明らかにしていないが、自治体支援に必要な職員を配置すべきです。出先機関廃止は逆行であり、維持拡充すべきです。
復興庁に強力な権限をもたせるべきとの議論があります。復興に便乗し、社会保障の切り捨て政策を実施する先進モデルとしたり、大企業の国際競争力を追求する政策実現のため、強力な権限をもつ組織が必要だなどという方向はとるべきではありません。
重要なことは、住民の意向を反映させることです。
復興庁の仕事は、復興特区法にもとづく復興推進計画の認定や復興交付金の配分です。特区法は「住民の意向を尊重する」としながら、その具体的手だては規定されていません。事業の実施段階で住民の意向や要望を把握し、的確に反映する具体的手だてを求めます。
国の機関の体制だけでなく、地方自治体の体制の確保が必要です。被災自治体の機能を果たすため、国の機関や全国の自治体は多くの職員を派遣してきました。本来は、単なる派遣による応援でなく、消防職員を含め被災自治体の体制を確保するために定員増が必要です。2005年に合併した石巻市では、合併10年後から交付税が減らされるため、職員削減計画をすすめてきました。少なくとも復興が軌道に乗るまで交付税削減を猶予すべきです。
福島原発事故の被害に対し東電に全面的な賠償をさせることが緊急課題です。
政府と東電は「冷温停止状態」を年内に達成し、ステップ2を完了する方針を強調しています。しかし、原子炉の状態さえ把握されておらず、事故原因の解明もすすんでいないのに、さも安全であるかのように言うことが、どうして被災者に対する東電と国の責任を果たすことになるのでしょうか。事故の検証も行わないまま、停止中の原発を再稼働させることは、「事故の究明がすべてのスタートの大前提」という総理の言明にも反するものです。