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2011年11月24日(木)

FTA批准 韓国 高まる与党批判

突然の本会議 国会封鎖 非公開

野党「議会クーデターだ」

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 韓国の与党・ハンナラ党が22日、米韓FTA(自由貿易協定)の批准同意案を国会で強行採決したことに、批判が高まっています。ソウル市中心部では同日夜、採決に抗議する市民ら2500人が集まり、「批准は無効」「李明博(イミョンバク)政権は退陣を」と唱和。放水車で解散させようとした警察と、一部が衝突し、19人が拘束されました。(中村圭吾)


 最大野党・民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表は23日、国会で開いた「糾弾大会」で、採決は適正な手続きを欠いた不法なものだとして、憲法裁判所に提訴し争う方針を表明しました。

 批准案採決は、米韓FTAに強く反対する野党陣営の不意をつく“奇襲作戦”によって行われました。

 もともと22日には本会議は予定されていませんでした。ところがハンナラ党は同日、国会で議員総会を開き、韓国メディアによると、総会の最中に同党の黄祐呂(ファン・ウヨ)院内代表が朴熺太(パク・ヒテ)議長に電話で本会議の開会を要求。集まった与党議員らにも、この日初めて22日採決の方針が伝えられました。

 そして総会終了後、与党議員らは一斉に本会議場へとなだれこみました。

 朴議長は開会に先立ち、国会の出入り口の封鎖を命令。取材記者も出入りができなくなりました。多くの野党議員が、国会に駆けつけようとしましたが、間に合わなかったといいます。

 本会議の開会が迫る中、野党・民主労働党の議員が議長席に催涙液を散布。ハンナラ党の議員らは一時、退席しましたが、本会議の開会を宣言。即座に非公開とすることを決定し、国会中継も打ち切られました。

 本会議を非公開にするのは、ハンナラ党の前身の新韓国党が1996年に、労働法改正案を強行採決して以来です。米韓FTA批准案の採決は、関連法案とあわせ、わずか8分間で終了しました。

 この採決について、民主党など野党は「議会によるクーデターだ」と猛烈に批判。来年度予算案を含め、今後、一切の審議に応じないとしています。


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