「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2011年11月23日(水)

九電玄海原発「やらせ」

佐賀県、一転関与認める

「知事関与否定」に批判の声

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 九州電力玄海原発3号機(佐賀県玄海町)でのプルサーマル発電導入をめぐる佐賀県主催の公開討論会(2005年12月)について県の関与を調査していた牟田香副知事は22日、県の担当職員が九電社員による「仕込み質問」を認識していながら容認していたとする報告書を提出しました。一貫して否定してきた県の関与を一転して認めた形です。


写真

(写真)九州電力玄海原子力発電所。左は4号機。右は3号機

 報告書は(1)討論会のシナリオ(台本)の作成を担当職員が九電に依頼した(2)九電との複数回の打ち合わせのなかで動員を認識していた(3)担当職員は九電が質問者を準備していたことを知っていた―などとしました。知事や副知事ら幹部には報告されなかったとして、古川康知事の関与は全面否定しました。

 県が質問を要請した事実はないとしたうえで、「討論会の目的は専門家による安全性の議論を深めること。会場からの発言は重視していなかった」と述べました。

 同原発2、3号機再稼働を狙った今年6月の「県民説明番組」をめぐる「やらせメール」問題を調査した九電第三者委員会は、同討論会が「やらせ」の原形と認定。「仕込み質問」が行われたとして、古川知事の関与について「認識がなかったのか疑問だ」と指摘しています。

県民は納得しない

共産党 武藤明美県議の話

写真

 県の内部調査は、県職員が九州電力の「仕込み質問」を知りながら制止もせず古川知事に報告もしていない、と結論づけましたが、県民が納得するとは思えません。知事が何も知らなかったとは考えにくいからです。身内による調査の限界です。専門家を入れて第三者委員会で調べるべきです。討論会は、安全性についての専門家の議論が目的だったと知事は言いだしましたが、当時は「質問の時間を長くして、賛成派、慎重派の両方から議論する必要がある」と注文をつけています。だからこそ、賛成の「仕込み質問」が重要になったと考えるのが自然です。やらせの虚構の上に、知事が全国に先駆けてプルサーマル発電を実施した責任は重い。直ちに中止すべきです。


解説

身内調査“核心”避ける

 22日に佐賀県が公表した内部調査の報告書は、これまで一貫して否定していた県の関与を認める一方、古川康知事の関与は認めませんでした。

 調査チームの責任者を務めた牟田香副知事は「事実関係を明らかにする調査はしっかりできた」としましたが、多くの疑問が残ります。

 当時、古川知事は討論会前に「賛成意見、慎重意見がバランスよく出ればよい」と語っていました。九電第三者委員会は、九電が知事の意向をくんで賛成の「仕込み質問」をし、「やらせメール」の原形になったと指摘しましたが、知事は「知らなかった」と言い張るだけです。

 報告書では、九電がなぜ「仕込み質問」を行ったのか、背景や第三者委員会が指摘した古川知事と九電の「不透明な関係」についても言及を避けています。

 副知事による身内の調査では説得力のある説明は期待できません。 (内田達朗)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって