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2011年11月23日(水)

きょうの潮流

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 東京都内のある集会で聞いた高校3年生の発言に、拍手をいっぱい送りました。戦争と平和を考える集いでした▼先の大戦で空襲にあった人や広島の被爆者が、当時の恐怖を生々しく語ったあと、彼がマイクを握りました。震災ボランティアの体験談でした。彼は、家庭の出来事をきっかけに「貧困」と向き合わされた、といいます▼そんな折、湯浅誠さんが書いた『反貧困』を読みました。一度滑ったら、どこにも引っかからず、どん底まで落ちてしまう「すべり台社会・日本」。『反貧困』の発する警告に、心の中でうなずきました▼彼は、思いを打ち明けると共感してくれた友人と、社会科の先生にもちかけます。「学校で、もっと社会のことを勉強できるようにしてほしい」。先生を囲む、有志の学習会が始まりました。そこへ、3・11東日本大震災です▼なにもできない無力感を覚えます。小・中・高校でなにを、なんのために勉強してきたのか。なにかできないか。先生に相談するうちに、高校生平和ゼミナールのボランティアに加わる機会がめぐってきました。岩手県の宮古へ。仕事は、サケの上る川のヘドロさらいでした▼レコードや日用品が混じる泥。目の前をサケが上ってゆく。自然を救う仕事に携わり、自然に囲まれ生きてきた人々のふるさとの自然への愛情に打たれました。が、街はとても現実と受け入れられない光景でした。これは非現実? 彼はいいます。「空襲後の壊れた街をみた人も、同じように感じたのでしょうか」


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