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2011年11月17日(木)

原発のムダ相変わらず

立地整備657億円 高速増殖炉開発でも

会計検査院が指摘

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 収束のめどがたたない東京電力福島第1原子力発電所の未曽有の事故にもかかわらず、原子力関係の税金の使い方も、予算要求も相も変わらず、という実態が分かりました。


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(写真)日本原子力研究開発機構の高速増殖炉(もんじゅ)=福井県敦賀市

 会計検査院が7日公表した2010年度決算の検査報告は、特別会計や独立行政法人などの不適切な会計事例や、ずさんな契約を指摘しています。

 たとえば、原子力発電所の建設をめぐるエネルギー対策特別会計。新たに原発が立地される自治体への交付金支払いに備えた「周辺地域整備資金」について、原発事故により、原発新増設に対する地元同意を得るための調整に要する期間が長期化することが想定されると指摘。「着工済み3基を除く(計画中の)11基については、当面の間は需要が生じない」として、657億円を減額できるとしています。

 1995年のナトリウム火災事故以来、運転を停止している高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営している独立行政法人「日本原子力研究開発機構」も、会計検査院のやり玉に挙がっています。

実際の1.8倍に

 同機構は、次世代型の高速増殖炉の開発で、新たな炉心燃料の開発や原子炉容器をコンパクトにする研究を07年6月に設立されたばかりの三菱重工業の子会社、「三菱FBRシステムズ」に委託、08〜09年度に計76件、126億2770万円を支払いました。

 契約には精算条項がなく、実費と関係なく契約時に決めた金額を機構が支払う仕組み。検査院によると、人件費として見積書に記載された額は実際の1・8倍でした。機器の試験などの業務の大半は三菱重工に外注していますが、機構が三菱FBRと契約したときの外注費の見積もりは、三菱FBRが実際に三菱重工に払った額の1・5倍でした。

 検査院は、「機構による実際の作業内容の把握が行われておらず、契約金額の透明性、経済性が確保されておらず不適切」と改善を求めています。

 「もんじゅ」については、検査院は14日にも、もんじゅで使用した核燃料をリサイクルするための機器の研究開発を行う関連施設の事業費830億円などの公表漏れを指摘、「有効に活用されていない」と改善を求めています。

 野田内閣のもとで9月末に出そろった来年度予算の概算要求によると、すでに1兆円もつぎ込んだ「もんじゅ」の関連経費が215億円も盛り込まれています。大震災前の10年度予算額とほぼ同額です。危険な国際熱核融合実験炉(ITER)計画関連には、10年度予算額の3倍近い、293億円も計上しています。

 原発事故から教訓を学び、原発関連の税金のムダ遣いにきっぱりメスを入れるべきです。


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