2011年11月15日(火)
きょうの潮流
大阪のシンボルというと、思い浮かぶ一つが大阪城天守閣。天下統一をした豊臣秀吉が築城した天守閣は、1615年の大坂夏の陣で徳川家康に攻められ炎上。江戸時代に再建されたものの、またしても落雷で燃失しました▼現存しているのは、戦前の1931年に再建した3代目です。大阪城公園には「天守閣復興80周年」の大横断幕が掲げられ、府民や全国からの観光客でにぎわっています▼天守閣前に置かれたパンフレットを読むと、ちょっと意外ですが再建費用は、市民の募金でまかなわれたとあります。当時の大阪市長が復興を提案。市民から短期間で寄付が集まったそうです。太平洋戦争へ向かう暗い時代、明るく景気のいい話題を求めた浪速っ子の心意気では、と想像します▼この天守閣の展望台からも間近に見える大阪府庁に最近まで君臨したのが橋下徹前知事。「独裁をやる」と公言してはばからない橋下氏は、そのための足がかりとして大阪市長選に立候補しました▼「大阪都構想」などと、目新しそうに振る舞っていますが、中身は古くて怖い。大阪市の権限と財源を奪い、橋下氏に一手に集中させることを狙う、まさに「大阪まるごと乗っ取り」の構想なのです▼その邪魔となる住民、子ども本位の真面目な府職員や教職員を強権的に統制・排除しようと狙っているのが「職員基本条例案」、「教育基本条例案」です。大阪を私物化して、やりたい放題しようという独裁者に“天下統一”をさせるわけにはいきません。