2011年11月10日(木)
「イランが核兵器開発」
爆薬実験など IAEAが報告書
イラン大使否定
【カイロ=伴安弘】国際原子力機関(IAEA)は8日、イランが核兵器開発に関連する活動を進めていることを示す信頼できる情報があるとの報告書を理事国に配布しました。イランのソルタニエIAEA担当大使は同日、報告書は「バランスを欠いた無責任な内容で、政治的意図に基づくものだ」と反論しました。
IAEA報告書は、高性能爆薬の実験や起爆装置の開発など、核兵器開発に関する活動をイランが継続していると指摘。2カ国から提供された情報に基づき、イランは2008〜09年に核兵器に関連したコンピューターモデル実験を行っていたとしています。また、テヘラン南東のパルチン軍事施設に、流体力学実験に使用される大型爆発容器が建設されているとの情報があるとして、「核兵器開発が行われている強い兆候」としています。
報告書は、イランの核開発活動は03年まで組織的に行われていたが、その後も継続されている可能性があると分析しています。米国政府は07年の国家情報評価(NIE)で、イランは03年秋に核開発計画を停止したとの見方を示していました。
IAEA理事会は来週、この報告書に基づいて協議を行います。