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2011年11月10日(木)

小選挙区制こそ諸悪の根源 民意を反映する比例代表制へ抜本改革を

衆院選挙制度各党協議会 穀田国対委員長の発言

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 衆院選挙制度に関する各党協議会で9日、日本共産党の穀田恵二国対委員長の発言(要旨)は次の通りです。


虚構の多数つくる

 現行の衆院選挙制度の最大の問題は、民意をゆがめる小選挙区制そのものにある。小選挙区制導入後、5回の総選挙で、小選挙区では、議席に結びつかない「死票」が過半数を超え、比較第1党が4割台の得票で7割もの議席を占有する実態が明瞭になった。2005年総選挙では自民党が、09年総選挙では民主党が、47%台の得票率で73%台の議席を占めた。得票率と議席占有率に大きな乖離(かいり)がある。比較第1党の“虚構の多数”をつくり出すという制度そのものに問題がある。

 この際、「政治改革」と称して小選挙区並立制を導入して以来17年の政治実態を総括すべきだ。当時、喧伝(けんでん)されたのは「政権交代可能な制度」だ。たしかに政権交代がおきた。05年総選挙で小泉政権は「郵政選挙」で自・公の与党3分の2議席を獲得。多数の力で押し通す政治が横行し、国民の批判で政権交代がおきた。

 ところが、民主党政権は、マニフェストでかかげた「公約」をつぎつぎ覆す。参院選で敗北し「ねじれ国会」となると、今度は、国民不在の妥協をくりかえす。民意を「集約」した「虚構の多数」政権による強引な政治、多数のおごりが、結局、国民の政治不信となっている。

政党の堕落

 また「カネのかからない制度」と強調されたが、政治とカネをめぐる問題はいまだに絶えない。企業・団体献金は禁止するといって、政治家個人へは禁止したが、政党・政党支部を受け皿に企業献金が温存され、当時考えられないと答弁していたが「野放図に何百何千の政党支部」がつくられている。

 「政党の堕落」も問題だ。今日の小選挙区並立制導入を主導した細川元総理は「小選挙区に偏りすぎた」といい、河野前衆院議長は「政党の堕落、政治家の資質の劣化が制度によって起きた」と指摘している。

 堕落の原因に、多くの政党が政党財政の7、8割を政党助成金に依存している状態がある。政党助成金と小選挙区公認権をにぎる政党執行部に従順な「チルドレン」が生み出されているとの指摘もある。

 いまや「政治改革」3法の制度設計そのものに問題があることは明白であり、諸悪の根源は小選挙区制だ。

民意を削る定数削減

 選挙制度の根幹は、主権者国民の多様な民意をできる限り正確に議席に反映することにある。この立場から、比例代表制を中心とした制度に抜本的に改めるべきだ。具体的には、「小選挙区制を廃止し、民意を正確に反映できる全国11ブロックの比例代表制」を提案している。総定数480は維持すべきだ。なお、「併用制」など小選挙区制をからませると比例代表の本来の趣旨が生きない。中選挙区制は、比較的に民意を反映できると考えている。

 日本の国会議員の総定数は、国際的にみても決して多いわけではない。いま、民意の反映を問題にしているときに、民意を反映するツールである定数を削るというのはスジが通らない。とりわけ比例定数の削減は、小選挙区の比重を相対的に高め、現行制度の欠陥をさらに拡大し、民意を切り捨てるもので反対だ。


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