2011年11月2日(水)
きょうの潮流
10月30日、福島市。「なくせ!原発」大集会の行進を終え、歩道で帰りのバスを待つ、長い列に加わりました▼そこへ、反対側の歩道に福島県の人々の行進がやってきました。車道をはさむ二つの列が、互いに手を振って励ましあう。向こうから、女性の声が飛んできました。「遠くから、ありがとうね!」。熱いものが込みあげてきました▼大集会の舞台の終わりは、子どもたちが思いのたけを大声で叫ぶ催しでした。いっしょに壇上に上がった、若いお母さんが訴えました。「福島の未来は、この子たちにかかっています。この子たちの未来は、私たちにかかっています」▼原発災害からふるさとを取り戻し、次の世代に手渡す、おとなの責任。お母さんたちの覚悟にうたれました。事情は違っても、津波の被災地の人々にも共通する覚悟でしょう。残念ながら、政府からそんな責任の自覚は伝わってきません▼昨日の国会。野田首相は、まるで復興が人ごとのような話しぶりでした。日本共産党の志位委員長が問いました。復興の財源づくりだからと増税しても、法人税減税で消え1円も残らないではないか。しかし首相は、なんの心配も感じないのか、まともに答えずじまい▼農林水産業に大打撃の環太平洋連携協定(TPP)は復興への最大の妨げ、と志位さん。しかし首相は、おかまいなし。交渉への参加に意欲満々です。米政権の使い走りとたとえられる首相ですが、求められているのは、被災地の使い走りになろうとする気持ちです。