2011年11月1日(火)
志位委員長、ベトナム首相と会談
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日本共産党の志位和夫委員長は31日、訪日中のグエン・タン・ズン・ベトナム首相と都内で会談しました。
ズン首相は、ベトナムと日本の両国関係が良好に発展していることを喜びつつ、「両国関係や地域・世界の安定・平和・協力に寄与するために、日本共産党と意見交換できることは大いに意味のあることです」と志位氏との再会を喜びました。
志位氏は、「4年前のハノイではとてもよい会談ができました」と述べ、ズン首相の訪日を歓迎。ベトナム人民の抗米救国戦争以来の45年間の両党間の戦闘的連帯の歴史を想起しながら、「25周年を迎えるドイモイ(刷新)の事業が、重要な成果を上げていることを喜んでいます」と述べました。
そして2007年のノン・ドク・マイン書記長(当時)と合意した両党関係の発展のための三つの柱―(1)両国関係の発展に寄与する、(2)世界とアジアの平和と進歩に貢献する、(3)社会主義を目指す党として理論交流を進める―での交流が大きく進んでおり、21世紀に両党関係がさらに発展することを願っていると述べました。
志位氏が、理論交流について、緒方靖夫副委員長を団長とする代表団が現在ベトナムを訪問し理論会談が行われていることに言及すると、ズン首相は、日本共産党とベトナム共産党との交流がひんぱんに行われていることを喜び、「新しい状況下で社会主義建設への理論の意見交換が重要です。今回の会談も大きな成果を上げたとの報告を受けています」と応じました。
志位氏は、日本からベトナムへの原発輸出問題に関連して、「ベトナムのエネルギー政策はあなた方の主権に属する問題」とことわりつつ、日本の原発政策についての日本共産党の見解を率直に伝えました。
志位氏は、いまの原発技術は、本質的に未完成で危険なものであり、膨大な「死の灰」を閉じ込める保障も、使用済み核燃料を処理する技術もないこと、いったん重大事故が起きれば制限不能な甚大な被害が生じることを、前日の福島での「原発ゼロ」をもとめる集会への自身の出席にも触れながら指摘。
さらに日本の原発がアメリカから輸入したものをコピーしたもので、事故対処も独力ではできないこと、「安全神話」がとりわけ根強く、過酷重大事故への備えをまったく持っていないことを説明し、日本共産党が日本の原発政策や原発輸出に反対していることを伝え、次のように述べました。
「日本では事故後、原発の新増設は事実上できなくなっています。自国では危なくて造れないものを他国に輸出することがどうして許されるでしょう。危険をお伝えするのは、同志として、共産主義者としての義務だと考えて話をさせていただきました」
ズン首相は、「ご意見ありがとうございます。ベトナムに対する同志の気持ちはよくわかりました」と述べつつ、ベトナムとして経済発展のために原子力の平和利用を進める考えであり、日本を協力支援パートナーとして選び、「もっとも先進的な技術と、最も高いレベルでの安全対策を提供するよう要請しています」と述べました。
会談には、日本共産党から穀田恵二・衆院議員・国対委員長、小池晃・政策委員長、山下芳生参院議員、森原公敏国際委員会事務局長が、ベトナム側は、ブー・ドゥク・ダム首相府官房長官、ブー・フィ・フアング商工相、ヴィ・クアン・ビン計画投資相、グエン・フー・ビン駐日大使らが出席しました。