◆(16)どのようにして党建設を本格的前進の軌道にのせるか

(続き)

 この打開のうえで、今日の党の到達点のなかで生まれている新しい条件――職場を定年退職して年金生活に入ったベテラン党員の効果的結集をはかり、体制的にも充実した幹部集団をつくる努力をはかる。活動経験も人生経験も豊富な、試されずみのベテラン党員に、条件におうじて指導機関の任務を担ってもらうならば、機関活動の大きな前進がかちとれることは、全国各地で生まれている経験でも証明されている。

 地区委員会の体制強化のうえで、補助指導機関の適切な活用も大切である。とくに自治体合併にともなって、一つひとつの自治体が広域になり、それまで一町一支部だったのが、一つの自治体のなかにたくさんの支部が活動し、その一方で地方議員数が減っているなどの変化がおこっている。こうした変化にかみあって、自治体活動に的確に対応するとともに、党活動、党建設を前進させるために、補助指導機関をつくり、地区機関の体制強化をはかっていくことも探求する。

 財政問題は、中央でも、中間機関でも、重要な課題である。党勢拡大を財政基盤強化の面でもしっかり位置づけるとともに、党財政の根幹である党費の100%納入、「しんぶん赤旗」購読料の未集金・滞納問題を解決するための手立てをつくす。さまざまな困難を克服して未集金・滞納問題を解決している地区委員会の教訓は、「支部が主役」の配達・集金体制の確立の努力をはかっていることにあり、ここに問題解決の大道がある。

 わが党の将来の担い手となる若い機関幹部の計画的・系統的養成のために、中央も、都道府県も、特別の体制をとって、力をそそぐ。中央として「特別党学校」を開設する。「特別党学校」は、中央と都道府県・地区機関の若手の活動家を結集して、一度で“卒業”とする「学校」ではなく、年に数回という頻度で継続的に開き、理論、実践、党派性など、党の幹部として総合的な力をつけた後継者を育てる。

 ニ、職場支部の活動の抜本的強化をはかる……新たな転機をむかえている日本の労働運動の前進をかちとるうえで、いま職場支部のはたすべき役割はきわめて大きい。職場支部は、さまざまな攻撃に抗して不屈にたたかい、組織を維持・発展させてきたが、いわゆる「団塊の世代」の定年退職などを目前にひかえて、かけがえのない職場の陣地をつぎの世代に継承するうえでも、職場支部の活動強化に思い切って力をそそぐことが、強くもとめられる。

 職場支部は、労働組合運動の前進のために積極的役割をはたすとともに、党として独自に、すべての労働者を視野に要求実現のたたかいにとりくむ。一致する要求での共同行動、未組織労働者の組織化、公務員労働者への攻撃をはねかえすなどのたたかいは、どれも職場支部のたたかいの課題でもある。党支部として、労働者の要求をとらえた職場政策をもち、その実現のために奮闘する。学習・教育活動をつよめ、「構造改革」とリストラ攻撃のなかで洪水のようにおしつけられている誤った考え方と正面からたたかうことが大切である。

 これらのたたかいと結び付けて、長年きずいてきた陣地をひきつぐ後継者をつくることは、焦眉の課題であり、これ自体が重大な階級闘争の課題である。全国の経験でも、若い世代に、労働者としての誇りと働きがいを語り、党員としての生きがいを語る活動をつうじて、人間的信頼関係をつくり、党に迎え入れている経験が生まれている。こうした活動に本格的にとりくむ。

 職場支部への党機関の親身の援助をつよめるうえで、埼玉県委員会が、職場支部や労働組合運動のOBを結集して、県と地区に職場支部援助委員会をつくり、活動を前進させている経験は重要である。まず職場に足を運び、実情と悩み、要望を聞き、いっしょに考え、いっしょに行動して、機関と支部の間に信頼関係をきずくことを重視していることは、教訓的である。この経験にも学び、職場支部を援助する体制を、すべての都道府県委員会と条件のある地区委員会で確立する。

 このとりくみを推進するために、中央として「職場問題学習・交流講座」を系統的にもち、職場での党の指導的な働き手を系統的に養成する。

 ホ、若い世代のなかでの活動の強化について……いま若い世代は、不安定雇用、就職難、高学費など、異常に劣悪な状態のもとにおかれており、これを打開することは、日本社会全体にとっての大問題である。

 青年雇用問題は、とくに深刻である。失業率が全世代平均の二倍、二人に一人が非正規雇用という実態がある。異常な長時間労働による過労死が若い世代をむしばんでいる。一方的解雇・雇い止め、賃金・退職金の不払い、社会保険未加入、暴力的制裁など、無法行為が横行している。若い世代は、異常な大企業中心政治の矛盾の最大の集中点の一つとなっている。

 こうした状態を若者みずからの力で打開しようとする運動が発展していることは、大きな希望である。未組織の青年労働者がみずから組合を結成し、職場の無法とたたかう動きが全国各地でおこり、全国青年大集会、京都での「円山青年一揆」など、たがいに連帯を広げている。若者がこれらの運動への参加をつうじて、人間としての権利をたたかいとることを学び、仲間と心を通いあわせていることも、素晴らしいことである。わが党は、これらの運動を心から励まし、連帯し、ともにたたかう。

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