■第一章 自民党政治の異常な特質と、日本改革の方針
◆(1)世界に類例のない異常な特質にメスをいれる改革を
自民党政治の危機とゆきづまりは、外交でも、内政でも、最も深刻な段階をむかえている。多くの国民が、現在と将来の暮らしに展望がもてず、不安と閉塞(へいそく)感を感じている。アジアの近隣諸国との関係の悪化をはじめ、日本外交のおちいっている「八方ふさがり」は、戦後かつてない深刻なものである。これらの根底には、世界の他の資本主義国にも類例のない、自民党政治の三つの異常な特質がある。
――過去の侵略戦争を正当化する異常。
――アメリカいいなり政治の異常。
――極端な大企業中心主義の異常。
これらの異常な特質は、戦後の自民党政治に綿々とひきつがれてきたものだが、小泉内閣の四年九カ月は、それを極端なものにまで膨れ上がらせ、二一世紀の日本の前途をいよいよ危ういものにしている。
さきの総選挙で、小泉・自民党は、郵政問題一本に争点をしぼり、自らの失政と悪政を覆い隠すという、国民をあざむく方法で、危機におちいった自民党政治の延命をはかる戦術をとった。それは、財界とマスメディアの全面支援をえて、国民の一定の支持を獲得し、自民・公明両党は、議席では多数をしめることに成功した。
しかし、それは自民党政治の一時の延命になっても、この政治のもつ異常な特質と国民との矛盾、世界の流れとの矛盾を解決するものではない。うそとごまかしが明らかになれば、政治の大きな激動はさけられない。
日本の政治のゆきづまりの打開の道は、三つの異常なゆがみそのものに根本からメスをいれ、それをただす改革をすすめることにある。日本の情勢は、古い政治の枠組みを打開する新しい政治を切実にもとめる、歴史的時期をむかえている。日本共産党が前大会で決定した新しい党綱領と日本改革の方針は、その道をしめすものである。
[大会決議目次]