2002年6月25日(火)「しんぶん赤旗」
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患者負担や保険料の引き上げで、労働者や退職した年金生活者、お年寄りなどあらゆる国民に総額一兆五千億円もの負担増を押しつける医療改悪法案――参院での審議が二十四日始まり、本会議で各党の代表が質問しました。
日本共産党の小池晃議員は質問の冒頭、衆院での強行採決に抗議し、ルールを守った徹底審議を要求。政府・与党の“負担増やむなし”論の根拠に切り込みました。
小池氏は、健康保険の財政破たんの原因は「深刻な景気の悪化」と「国庫負担の削減」にあると指摘。健保財政悪化の最大の原因がリストラによる保険料収入の減少にあることを解明しました。
さらに、政府管掌健康保険(政管健保)への国庫負担率(医療分)を九二年に16・4%から13%に引き下げた結果、その後十一年間の国庫負担の削減額が累計で約一兆六千億円に及ぶことを指摘。「政管健保を危機に追い込んだ最大の責任は政府にある。そのつけを保険料と患者負担の引き上げで国民にまわすことなど断じて許されない」とのべました。
そのうえで、(1)削られた国庫負担の引き上げ(2)高すぎる薬価の引き下げ(3)病気の早期発見・早期治療の態勢確立―の三つの方向を提案しました。また、小池氏は三割負担になると受診を控えるという高血圧患者へのアンケート調査を示し、三割負担による受診抑制に警鐘を鳴らしました。
小泉純一郎首相は国庫負担について「必要な額は確保した」と開き直り、引き上げは「困難」と拒否しました。衆院で法案を強行採決した与党は「国民や医療機関などに一定の痛みを求めるのはやむを得ない」(公明・風間昶議員)などとのべました。