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日本共産党

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赤旗

2012年総選挙政策各分野政策

26、郵政

金融(貯金・保険)のユニバーサル(全国一律)サービスの保障など、郵政民営化で後退した郵政事業の抜本的見直しを引き続きもとめます

2012年11月


 「構造改革」の〝本丸〟として小泉政権(当時)がすすめた郵政民営化は、簡易郵便局の閉鎖、郵貯ATMの撤去、各種手数料の引き上げ、時間外窓口の閉鎖、集配郵便局の統廃合など、国民サービスに大きな後退をもたらしました。

 さらに、国民共有の財産である「かんぽの宿」をはじめ郵政事業として保有していた資産の「たたき売り」もすすめられました。郵便のゆうパック事業と日通・ペリカン便の宅配便事業の統合失敗では、郵便事業に大きな損失をおわせることとなりました。

 日本共産党は、民営化によってズタズタにされた郵政事業を再生し、通信(郵便)と金融(貯金・保険)のユニバーサル(全国一律)サービスを国民に保障していくために、引き続き郵政民営化の抜本的見直しをもとめていきます。

株式売却めざすなかで、サービス後退招きかねない

 郵政民営化の最大の問題点は、郵便貯金法、簡易生命保険を廃止して、法律による金融のユニバーサル・サービスの義務付けをなくし、効率的な経営の保障であった3事業一体経営を分社化により解体したことでした。これによって、サービスが低下し、地域の郵便局の存続が危うくされたのです。

 こうしたサービス後退に対する国民の批判の声をうけ、民主党政権は当初、郵政民営化見直しをかかげ、郵政グループの株式売却を凍結しました。しかし、先の通常国会で、民主・自民・公明の3党による密室協議の末に出された法律案は抜本的見直しとはいえないものでした。これは、郵政民営化法の「民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねる」とした目的には手をつけず、廃止されていた金融のユニバーサル・サービスを法律に義務付けするものの、その保障のためのしくみは不十分なものでした。

 この法律による見直しをうけて、これまで凍結されていた日本郵政の株式売却の準備がすすめられています。そのもとで、郵政グループが「効率化」と利潤追求に走れば、今後さらにサービス後退をまねきかねない状況となっています。

 郵便局ネットワーク維持の問題とともに、営業水準が後退する懸念もうまれています。「業務の効率化」のためとして、利用者の少ない郵便局の営業時間や営業日数を減らすことが検討されているのです。

 日本共産党は、①郵便貯金、簡易生命保険にユニバーサル・サービスを義務付ける。②分社化をやめて一社体制にする。③株式を売却せず、公共の福祉の増進を目的とする公的事業体とする。以上の抜本的な見直しを引き続きもとめていきます。

 また、民主党政権が TPP交渉参加の方向性を強めていることは重大な問題です。米国は、日本政府に「日本郵政各社と民間の銀行、保険、急送便事業者との間で対等競争条件」(「外国貿易障壁報告書」)をもとめる姿勢をあきらかにしています。TPP交渉参加は、公的役割のある郵政事業を後退させかねないものです。この点からも日本共産党はTTP交渉参加に反対します。

郵便の規制緩和を見直し、非正規の正社員化・均等待遇をもとめます

 小泉政権のもとですすめられた郵便市場の規制緩和によって、もうかる都市部へのメール便のいいとこどり参入が進み、郵便市場は限界を超えたコスト競争にさらされています。この結果、郵便事業と民間宅配業者の双方に、非正規雇用が拡大し、郵政グループは、20万人を超える、大規模な非正規雇用を抱える事業体になっています。民主党政権は当初、労働者と国民の声に押され、非正規の正社員化を大幅にすすめる方向性を打ち出し、「労働環境の整備」も課題とされました。しかし、民主・自民・公明の3党による見直しの結果、それらは法律にもりこまれませんでした。郵政グループは正社員化の対象をしぼりこむなど後退をしています。

郵便のユニバーサル・サービスの維持・向上には、郵便市場の規制緩和の見直しと非正規の正社員化がかかせません。引き続き、郵便市場の規制緩和の見直しと郵政事業での非正規からの正社員化や非正規の均等待遇など改善をもとめます。

郵政の資産の活用を図るとともに、郵政ファミリー利権にメスを入れます

 中小企業、住宅、福祉・医療施設などの分野への資金供給は、民間銀行の「市場まかせ」ではなく、公的金融による支えが必要不可欠です。こうした公的金融の原資として、郵貯・簡保資金を活用します。また、郵政グループの関連事業が高級官僚の天下り先になり、郵政ファミリー利権となっている問題、郵政民営化を通じて生じている新たな利権の問題にもメスを入れます。


 

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