パンフレットNo.3 No.2の内容含む (PDF形式) |
日本共産党の東日本大震災現地対策本部は6日、被災者支援制度をまとめて紹介した「手引」「被災者の生活、暮らしの支援制度の紹介・No.2」を作成しました。
未曽有の大災害をもたらした「東日本大震災」。福島原発事故による放射能汚染の広がりなど予断は許しません。そうしたなか、苦境から立ち上がり、再建・復興をめざす努力が各地ではじまっています。
それだけに、被災者の支援と復興のために国の総力あげてのとりくみがますます重要になっています。日本共産党はこの間、被災者の救援、生活支援に全力をあげ、福島原発事故では、志位委員長が国に責任ある対応を求めてきました。
いま、被災地のみなさんの切実な訴え、復興への思いが国を動かし、被災者支援のために現行制度の特例措置や減免の具体化などがうちだされてきています。その主な内容を紹介します。先に発行した「支援制度紹介・No.1」とあわせてご活用ください。
「り災証明書」は必ずもらってください |
「り災証明書」は、各自治体が住居などの被害を調査し証明するもの。この証明書は、保険の請求や税の減免など各種の救済措置を受ける際に必要になります。被害調査前に家屋など修繕される方は写真をとり、見積もり書(領収書)を保管しておくことが大事です。高橋ちづ子衆院議員は、3月28日の衆院災害対策特別委員会で、り災証明書の簡素化や原発事故の避難者にも出すようもとめ、政府に原発避難者も同様に扱うと答弁させました。
●被災者で、当座の生活費を必要とする方は、緊急小口資金(生活福祉資金)を借りることができます。(低所得者世帯に限りません)
●貸し付け上限は10万円以内(特に必要と認められる場合には20万円以内)。
☆特に必要と認められる場合とは、(1)世帯員のなかに死亡者がいる、(2)世帯員に要介護者がいる、(3)世帯員が4人以上いる、(4)重傷者・妊産婦などがいる世帯で、県社会福祉協議会会長が必要と認める、ときです。
●貸し付けの条件は、無利子、保証人なし、据置期間1年以内、返済期間は据置期間経過後2年以内です。
●申し込みは、各市町村の社会福祉協議会に申し込み、県社会福祉協議会が審査し、決定します。
●被災者は医療機関に対象者であると申し立てれば、窓口負担なしに医療を受けられます。
●対象は、住家が全半壊かそれに準ずる状態にある人または、主たる生計者が(1)死亡したり、重篤な疾病、または(2)行方不明、(3)廃休業し、(4)現在失業して収入がない人です。
●この窓口無料制度は、福島第1、第2原発事故で政府(自治体)指示により避難または屋内退避している人も対象になります。
★保険証なしでも、氏名・生年月日・住所を医療機関に伝えることで受診は可能です。
●収入や資産がなく、生活の維持が困難な方は、生活保護が受けられます。資産があってもただちに処分が難しい場合はうけられるケースがあります。
●生活保護は、被災者が居住地を離れ、避難所や他市町村に避難した場合、避難先の市町村で申請できます。申し込みは各市町村です。
災害救助法では、被災を受けた人に被服、寝具など生活必需品が給与(または貸与)されます。対象は全半壊(焼)、流失、床上浸水などで、生活に必要な生活必需品を失い、損壊し、直ちに日常生活が困難な人。学用品も同様に小中学生、高校生に支給されます。仮設住宅などに入居が決まり新生活に必要な生活必需品を整えていくためには、この制度の活用が大事です。各市町村が窓口ですので、日常的に必要な生活用品の支給を大いに申し出ましょう。
●事業所が被災し、休業を余儀なくされ、賃金を受け取れない方は、実際に離職していなくても失業給付(雇用保険の基本手当)を受け取れます。
●一時的に離職した方も、事業再開後の再雇用が予定されている場合でも、失業給付を受け取れます。受給にあたっては、働いていた事業所の「休業証明書」「離職証明書」が必要です。事業主から受けとれる状態にない場合には、ハローワークに相談してください。
●被災した事業主が休業手当等を支払い、雇用を維持しようとする場合、その額の一定割合が国から助成されます。対象は、今回の震災などで最近1カ月の生産量・売上高等がその直前の1カ月または前年同期と比べ5%以上減少する見込みの事業所です。
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●この助成金を受けるためには、労働局またはハローワークに「休業等実施計画(変更)」を提出することが必要です。
●企業倒産により賃金が支払われないまま退職した労働者は、未払い賃金の一部を国に立て替え払いを求めることができます。
●対象となるのは、被災地域で、事業活動が停止し再開する見込みがなく、賃金を支払う力がない中小企業で働いてきた労働者です。
●申請先は、労働基準監督署です。厚生労働省は、事業所が被災して申請書類が入手できない場合は、自治体が発行するり災証明書などを最大限活用して、迅速な処理を進めるよう通達をだしています。
●大震災で事業所や作業場が倒壊、焼失したり、大津波で流失したりして勤務中に被害にあった人については、労災保険の適用になります。
●適用になれば、遺族年金や一時金、葬祭料のほか、けがの療養費や休業補償が支払われます。行方不明者は、不明になったときから1年後に死亡とみなされた場合に請求できますが、今回は特例として1年以内でも認定することを検討しています。
●厚労省は、事業主や医療機関の証明がなくても労災保険の申請を受理する、としています。近くの労働基準監督署に問い合わせてください。
●今回の震災で被災をうけた地域では所得税・消費税・相続税などの申告や納付の期限を延長(納税者が手続きできる状態となったと国税庁が判断した日から2カ月以内)し、相当な損失を受けている場合、納税の猶予(原則1年以内)が認められます。(※青森、岩手、宮城、福島、茨城の各県は自動延長されます)
家屋、家具などに損害を受けた時は、所得税法の雑損控除か災害減免法のいずれかの有利な方法で所得税が減免されます。
●雑損控除=損失額(損害金額+災害関連支出の金額−保険金などで補てんされる額)から所得金額の1割を差し引いた額を控除。
(※損害額が多額で、控除する年の所得金額から控除しきれない場合には、その翌年以降5年間、損失を繰り越せます。損害が生じた年を含めて最長6年)
●災害減免法は、被災を受けた住宅や家財が時価の2分の1以上、災害年の所得金額が1000万円以下の場合、所得金額に応じて所得税が減免されます。
●所得税の軽減は、被災を受けた2011年分の所得税が対象になりますが、今回は、2010年分の所得税からの控除が認められることになります。したがって、確定申告を終えた人でも、震災をうけて再度申告しなおすことが大事です。(※3月28日衆院災害対策特別委員会で、高橋ちづ子衆院議員がとりあげ、2010年分からの雑損控除を政府に認めさせました。具体的には特別立法に盛り込まれることになります。また、高橋議員は雑損控除の計算にあたって、被災者の負担を軽減する方法=簡便法=を適用するよう要求しています)
●住民税や固定資産税など地方税でも、所得税と同様の雑損控除があるほか、災害減免条例など自治体独自の軽減措置が実施される場合もあります。
●損害を受けた会社員や公的年金受給者は、所得金額の見積もり額に応じて所得税の源泉徴収(天引き)の猶予や還付を受けられます。
●損害をうけた会社員や公的年金受給者は、社会保険料や労働保険料の納付期限の延長や猶予が設けられます。
●住宅・家屋など財産のおおむね2分の1以上の損害を受けた場合は、国民年金保険料が全額免除されます。
※「支援制度紹介・No.1」(生活支援、住まいの確保・再建、中小企業支援、農・漁業支援など)もあわせてご活用ください。