日本共産党

2006年1月17日(水)「しんぶん赤旗」

岩手・陸前高田

中里市長の四年間 (上)

福祉守り、借金も減らす


 岩手県陸前高田市(人口約二万五千人)で、日本共産党の市議だった中里長門さん(60)が、広範な市民に推されて市長選に無所属で出馬し、初当選してから四年がたちました。市民のくらし、福祉を守り、財政を立て直し、産業振興にも力を入れる市政が着実に前進しています。(岩手県・三国大助)


 中里市長は、市長選の公約だったタラソテラピー(海洋療法)施設の建設中止をすぐに実行し、この四年間、「市民のくらしが少しでもよくなるように」との思いで市政に取り組んできました。

 乳幼児の医療費助成を県に先駆けて就学前まで拡充。県が自己負担(一部有料化)を導入した後も乳幼児、妊産婦、重度心身障害者、母子・父子家庭で無料化を継続しています。これは県内の市では陸前高田市だけです。

子育てを支援

 中里市長の支持母体である「あたらしい陸前高田市をつくる市民の声」(米沢政敏会長)のリーフで、この実績を初めて知った女性(33)は「ほかの市でも陸前高田と同じことをやっているのかと思っていた」と驚きました。

 八歳、五歳、一歳の息子がいるこの女性。一人の子どもがかぜをひくと、ほかの子どもにもうつって、病院に行く回数が多くなります。「無料化は助かる。できれば、小学校卒業まで対象を広げてほしい」と中里市長に期待を寄せます。


 子育て支援で中里市政は保育料の第三子無料化(四、五歳児)も実施。「この制度がさらに良くなるなら、どんどん応援したい」と話します。

 昨年末、「市民の声」が主催した「女性のつどい」に百十人が集まりました。会場で話題になったのは、中里市長が先頭に立って実行してきた市長報酬の25%減額、市長交際費の削減と公開、市長専用車の廃止などでした。

 参加した女性(61)は「市長交際費を年間三百五十万円から百万円に減らしたと聞き、びっくりした。中里市長は、小さな事でも市民の目線に立ったお金の使い方をしてくれている。だから福祉も重視できるのだと思う」と目を輝かせます。

 前市政のもとで市の借金は膨らみ、中里市長が就任したときには、百六十三億円になっていました。中里市長は、職員とも協議して市役所の内部経費節減に努め、市民サービスを守りながら、行財政改革を推進。その結果、三年間で借金(地方債)を十六億円も減らしました(臨時財政対策債を除く)。


「市民の声」主催の「女性のつどい」であいさつする中里市長=06年12月、岩手県陸前高田市

くらし重視へ

 また中里市政は、公共事業を前市政のリゾート優先から生活・教育・福祉関連重視へと切り替えて、地元木材を活用した中学校舎建設や保育所の改築、生活道路の計画的な整備などを進めてきました。一般会計に占める普通建設事業費の割合は県内十三市の中で第三位で、地域の仕事を確保しています。

 「(全国的に)公共事業が減らされているときに、県内第三位というのは、すごいですよね」。「女性のつどい」の参加者の女性(52)は目を丸くします。「とてもバランスよく市政を運営した四年間だったとわかった」と中里市長を高く評価しました。
(つづく)。


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