■第三章 国民要求にこたえ、党を語り、国政選挙と地方選挙での本格的前進を

◆(8)この三回の国政選挙のたたかいの教訓ふまえ、本格的な前進へ

 この三年間、三回の国政選挙は、財界主導による「二大政党制づくり」の動き、「小泉突風」などの形であらわれた逆風のもとで、それと正面からきりむすぶ激しいたたかいの連続となった。わが党は、新しい政治局面での一回一回のたたかいから教訓を導き出しながら、中央と全国が知恵と力をあわせて、国政選挙の論戦と活動のあり方を探求、発展させてきた。

 二〇〇三年の総選挙は、財界主導の「二大政党制づくり」とのはじめての本格的なたたかいの場となった。わが党は、政党状況の急激な変化を分析し、その根本に財界戦略があることをたたかいのなかで追跡・探求し、正面からこの動きにたちむかったが、その訴えを国民的な規模で伝えることができず、議席を減らした。選挙戦を総括した十中総は、党中央のたたかう構えの立ち遅れ、財界の政治介入にたいする分析と告発の立ち遅れなど、反省点を明らかにした。

 二〇〇四年の参院選は、「二大政党制づくり」との二度目のたたかいとなった。この選挙でのわが党の政策的な訴えは、情勢と国民の利益にかなったものであり、国民の共感を広げたが、「自民か、民主か」の選択を国民におしつける動きが強い力で有権者の動向に影響をあたえるもとで、わが党への政策的共感が得票にむすびつかない状況も広範にあった。選挙戦の悔しい後退の結果を分析し、私たちは、「二大政党の選択」が国民におしつけられるという新しい条件のもとで、どのようにして日本共産党の議席の値打ちをおしだすかを教訓としてひきだした。その探求は、二中総決定に結実した。

 私たちは、二〇〇五年の総選挙で、過去二回の国政選挙からひきだした教訓を最大限に生かすたたかいをおこなった。突発的におこった解散・総選挙にさいして中央と全国が心一つに攻勢的にたたかう構えをいちはやくつくりあげた。二中総決定をふまえて、「野党としての公約」を打ち出し、「たしかな野党」をキャッチフレーズにたたかった。この選挙で、かかげた政治目標を実現することができなかったことは悔しいことだったが、難しい条件のもとで現有議席を確保し、全体として善戦・健闘といえる結果を出すことができたことは、たたかいへの構えでも、政治論戦でも、二回の国政選挙の教訓を生かした全党の奮闘によってえたものであった。

 三回の国政選挙の全体をつうじて、私たちが痛感した最大の教訓は、どんな条件のもとでも政治戦で前進をかちとるためには、わが党の実力は質量ともに不足していること、自らの力で「風」をおこして勝利をつかむための実力をつけることこそ、いまもとめられている緊急・重大な課題であるということだった。

 一連の選挙によって、わが党はきたえられ、多くの教訓をつかみ、重要な成果もえた。それらを生かして、二〇〇七年におこなわれるいっせい地方選挙と参議院選挙、きたるべき総選挙で、かならず本格的な前進をかちとるために力をつくそう。

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