私は、日本共産党を代表して、政府予算三案に反対の討論を行います。
まず初めに、鈴木宗男議員と外務省の一連の疑惑及び加藤紘一自民党元幹事長の政治資金集めに関する疑惑を究明するため野党が要求している証人喚問すら行わず、予算案が採決されようとしていることに強く抗議するものであります。
予算執行や外交方針をねじ曲げた疑いのあるこれらの事件を十分解明しないまま本予算案を成立させることは、その執行にも大きな問題を残すものと言わざるを得ません。
本予算案に反対する第一の理由は、この予算案が、今日の深刻な不況とデフレの解決に何ら役立たないばかりか、不況とデフレを一層深刻にするものだからであります。
予算案の審議中に出された政府のデフレ対策も、不良債権の早期最終処理に邁進することが中心であり、失業、倒産を一層増大させるだけで、不良債権そのものも減らない、デフレの解消どころか、正にデフレ加速策であります。
特に、不良債権処理を口実に、地域金融や中小企業融資の実態を無視した強権的な検査で、大量の信用金庫、信用組合を破綻に追い込み、何十万という取引中小企業を苦況に追いやった小泉内閣の責任は重大であります。
反対する第二の理由は、不況に苦しむ国民の暮らしに更に追い打ちを掛ける予算であることです。
サラリーマンなどの医療費自己負担を三割に引き上げるとともに、高齢者の負担限度も引き上げる医療制度の大改悪、高齢者マル優の廃止、中小企業予算の削減、さらに国立大学の授業料引上げ、奨学金の削減、また母子家庭への児童扶養手当の削減など、弱者にだけ痛みを押し付けるやり方は到底許されるものではありません。
第三に、ゼネコン向けの大型公共事業など、浪費にメスを入れないまま、財政危機を一層深刻にしていることであります。
特に、川辺川ダムや諫早湾干拓事業、関西国際空港第二期工事など、事業の目的や計画そのものに重大な疑問を持たれている大型事業をひたすら強行しようとしていることは、小泉改革が改革の名に値しないことを典型的に表すものであります。
今必要なことは、景気をますます悪くするだけの小泉構造改革をきっぱり中止し、雇用の回復に全力を挙げるとともに、医療、年金などの社会保障の改悪をやめ、国民の将来不安を取り除き、家計を温める政治に直ちに切り替えることであります。
このことを強く求めて、私の反対討論を終わります。(拍手)
衆議院本会議の【討論内容】 参議院予算委員会(3/6)の【討論内容】
野党四党で衆議院予算委員会(3/7)に提出した【修正案】 → 【趣旨の説明】