2005年5月18日(水)「しんぶん赤旗」

清水建設を処分

入札前にダム設計資料入手

高橋議員質問に 農水省 本紙報道を認める


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「赤旗」5月9日付

 清水建設が農水省発注の荒瀬ダム(鹿児島県)工事で、同工事の設計などを請け負ったコンサルタント会社から、守秘義務のある同省あての報告書などを入札前ひそかに入手し、受注に成功した――。本紙が九日付で報道したこの問題を調査した農水省は十七日、事実と認め、十二日付でコンサルタント会社を指名停止一カ月、清水建設を厳重注意処分したことを明らかにしました。入札不正の疑いも濃くなり、島村宜伸農水相は再調査の意向を示しました。

コンサル会社も指名停止

 これは、同日の衆院農水委員会で日本共産党の高橋千鶴子議員の質問に答えたもの。

 農水省九州農政局発注の荒瀬ダム(総事業費約二百九十四億円)は、昨年三月に一般競争入札がおこなわれ、前田建設工業・清水建設・さとうべネックの共同企業体が三十六億円で第一期建設工事を受注しました。

 しかし、本紙入手資料によると、入札の五年近く前から三祐コンサルタンツ(名古屋市)と清水建設が接触。三祐側は請け負った設計業務などを部分的に清水建設に“丸投げ”し、同省あて報告書も渡していました。

 調査結果を報告した川村秀三郎農村振興局長は、「発注者の承諾なく、三祐コンサルタンツ社員が荒瀬ダム実施設計の成果品(報告書)等を清水建設の社員に譲渡していた。請負業務契約書の規定に反する」「複数年、複数回にわたってやりとりがあった」と認めました。

 高橋議員は「三祐側と清水建設は内部文書に書かれていたように『同じ土俵で意志疎通ができる』関係が常態化していた。これは入札で清水建設に有利に働くことを意味している」と指摘。「このような処分で再発は防止できると思っているのか」と全容の解明と厳正な処分を求めました。

 島村農水相は「これで納得できたとは思っていない。再発を防止するための措置がとられたとも思わない。再度調べて、(ダム工事を発注した)会社の方にもなんらかの方法をとるかもしれない」とのべました。

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