2004年12月25日(土)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の市田忠義書記局長は二十四日、国会内で記者会見し、北朝鮮から示された情報・物証についての日本政府の精査結果について、「横田めぐみさんのものとされた『遺骨』が別人のものであったことに示されるように、安否不明の十人の拉致被害者にかんする北朝鮮の『白紙』からの『再調査』がまったく不誠実で、無責任なものであったことを改めて示すものだ」と指摘。「北朝鮮側がこの精査結果についての全資料を真剣に検討し、その上で、再調査のための必要な措置をとることを強く求める」とのべました。
北朝鮮側が前回調査(二〇〇二年九月)の際に、「八人死亡」の最大の裏づけとした「死亡診断書」について、“特殊機関が焼却して存在せず、後でつくったものだ”と「訂正」し、その代わりに持ち出した横田さんの「遺骨」なるものが別人のものだと判明。しかも「夫」と称する人物もまた特殊機関の要員でした。
これらの点を指摘した市田氏は「北朝鮮側が提出した資料や証言には、特殊機関のフィルターのかかったものが多く見られる。不自然な点、疑問点が多いのもそのためだ。特殊機関の調査への介在が拉致被害者の安否を含む拉致問題の全容解明の重大な障害となっている。きょうの精査結果でもそのことが確認できる」とのべ、「北朝鮮側の交渉担当者を、特殊機関にも真相解明のメスを入れることのできる十分な権限と責任を持った人物に代え、交渉の質を抜本的に強化することを、日本政府は北朝鮮側に強く求めていくべきである」と、あらためて強調しました。