2004年5月2日(日)「しんぶん赤旗」
一日、東京・代々木公園で開かれた第七十五回中央メーデーで日本共産党の志位和夫委員長がおこなった連帯あいさつ(大要)は次の通りです。
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第七十五回中央メーデーにお集まりの仲間のみなさん。おはようございます。私は、日本共産党を代表して、みなさんに熱い連帯のあいさつを送るものであります。
一九二〇年に開かれた日本の第一回メーデーは、八時間労働制の実現とともに、当時のロシア革命への干渉のためにシベリアに出兵していた日本軍の撤兵をかかげました。それいらい日本のメーデーは、平和の課題を一貫してかかげてきた、輝かしい伝統をもっています。(拍手)
いま、イラクでの米軍の軍事占領は、大きな破たんにおちいっています。ファルージャで米軍がおこなった住民への無差別殺戮(さつりく)は、イラク全土で独立イラクをもとめる国民の大きな抵抗をよびおこしています。
米軍とともにイラクに軍隊を派兵していた三十六の国のうち、すでにスペインをはじめ十三の国が、軍隊の撤退を決定、もしくは撤退の検討をしていると伝えられ、「有志連合」と称する侵略連合が崩れつつあります。
イラク戦争から一年あまり。国連憲章をふみにじって侵略戦争にのりだしたものが、歴史で裁かれ、世界で孤立した――これが、この一年だったのではないでしょうか。(拍手)
こうしたなか、自衛隊の派兵をつづければどうなるか。サマワの陸上自衛隊の陣地にたいしても、迫撃砲による攻撃がくりかえされています。
攻撃を受けた自衛隊は、陣地にたてこもり、まともに外での活動もできない状態です。「戦闘地域には送らない」――政府のこの言いぶんも、根底から成り立たなくなっているではありませんか。(拍手)
このまま自衛隊の派兵に固執すれば、自衛隊とイラク国民が「殺し、殺される」という、とりかえしのつかない結果を招くことにもなりかねません。
自衛隊はイラクからただちに撤退せよ、アメリカによる占領支配をやめさせ、国連を中心にしたイラク国民の自主独立の国づくりの支援に転換せよ――いまこのことを強くもとめていこうではありませんか。(「よーし」の声、拍手)
政府・与党が、強行をはかろうとしている年金法案は、「百年安心」どころか、国民生活と年金制度を土台から破壊する大改悪の法案であります。
第一に、十四年間の連続保険料の引き上げは、「保険料が高すぎてはらえない」という人を増やし、年金制度の空洞化をいっそうひどくするものです。
第二に、一律15%の給付のカットは、憲法で保障された生存権を政府みずからが破壊する暴挙であります。
そして第三に、年金財源という口実で、庶民増税、消費税増税をすすめようとしていることは、断じて許せないではありませんか。(拍手)
政府は「持続可能な制度にするための改革」といいますが、私はいいたい。たとえ制度が「持続可能」となったとしても、国民の暮らしが「持続不可能」になっては、何のための年金制度かということになるではありませんか。(拍手)
連休明けに重大局面をむかえる年金大改悪法案を、廃案においこむためのたたかいを、急速につよめることを、心からよびかけるものであります。(拍手)
日本共産党は、国民すべてに月五万円を保障する最低保障年金制度をつくり、その財源は公共事業や軍事費の無駄の削減、大企業に応分の負担をもとめることでまかなうという提案をしております。これを実現することこそ、低すぎる給付水準、深刻な空洞化という、年金制度の大問題を、根本から解決する道であります。
みなさん、国民だれもが安心できる年金制度を、ごいっしょに力をあわせてつくりあげようではありませんか。(拍手)
小泉内閣はいましきりに「景気回復」といっていますが、労働者と国民には、まったく実感がありません。
それもそのはずです。急速に回復しているのは大企業のもうけだけで、そのもうけは労働者と中小企業をいためつけるリストラ競争の結果だからです。労働者の所得は落ち込み、完全失業者は三百数十万人という深刻な状態がつづいています。
メーデーの歴史は、働くものの権利を守るルールを築くたたかいの歴史でした。欧米では考えられない「サービス残業」をやめさせるだけでも百六十万人の新たな雇用、取得率が五割を切っている有給休暇をすべて使うだけでも百五十万人の新たな雇用が必要となり、これだけでも完全失業者の数に匹敵する雇用が生まれます。
ヨーロッパではあたりまえになっている「同一労働・同一賃金」のルールをつくり、パート・アルバイト・派遣労働で働く人々にも、正社員と同じ賃金を保障することは、大企業のリストラの横暴をおさえる大きな力を発揮するでしょう。
みなさん、ヨーロッパなみの働くものの権利を守るルールを、労働者の団結の力でつくりあげようではありませんか。(拍手)
第七十五回メーデー万歳(拍手)。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)
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