2004年5月2日(日)「しんぶん赤旗」
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史上最悪の年金改悪法案を衆院委員会で強行し、イラクの自衛隊派兵に固執する小泉内閣への怒りが広がるもとで一日、第七十五回メーデーが全国三百七十五会場で開かれました。東京では、全労連などでつくる実行委員会が主催した中央メーデーを新緑がまぶしい渋谷区の代々木公園で三年ぶりに開催。会場を埋めた四万二千人余は、強い風に「リストラやめろ」「年金大改悪反対」「自衛隊はイラクから撤退せよ」と書いたのぼりや組合旗をはためかせ、力いっぱい唱和しました。
「これが年金つぶし三悪人だ!」と小泉首相らを“お縄”にしている横断幕を掲げた通信労組の組合員、高杉辰男さん(50)は「小泉首相は憲法九条の改悪をねらい、年金改悪で憲法の生存権を放棄しようとしています。平和とくらし破壊の政権は絶対に許さない」。
カラフルな造花をさした花車と憲法九条の横断幕で「戦車より花車を」とアピールするのは、公務公共一般労組の中嶋祥子さん(59)。「非常勤で働く私たちの要求は、雇用の安定となによりも平和。小泉さんはいつまでアメリカのいいなりになって、イラクの人たちを踏みにじれば気がすむの。自衛隊はさっさと撤退して」と怒ります。
実行委員会を代表して熊谷金道代表委員(全労連議長)があいさつし、日本共産党の志位和夫委員長、映画監督の神山征二郎さんが連帯あいさつしました。
志位氏がイラクからの自衛隊撤退と米軍占領をやめさせ、年金改悪法案を廃案に追い込むたたかいを急速に強めようと呼びかけると、会場は「よーし」の掛け声と拍手でこたえました。
集会後、三コースでデモ行進。小泉首相が操縦する戦車やイラク戦争に反対した国をしめす地球儀のはりぼて、「これが本当の黄色のハンカチ」と都庁職駒込病院分会の看護師たちは、自衛隊撤退を求める黄色いハンカチをひもにいっぱいつりさげて訴えました。小さな子どもの手を引いた親子連れが目立ち、行進に沿道からさかんな拍手が送られていました。
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第七十五回中央メーデー実行委員会の熊谷金道代表委員は、与党が衆院委員会で年金改悪法案を強行したことを厳しく批判。閣僚十七人中七人が年金保険料未納の小泉内閣に法案提出の資格はないと強調し、衆院での審議やり直しと政府案の廃案を求めました。
「小泉自公政権は戦後最悪の内閣」だとのべ、アメリカと大企業の利益を露骨に擁護し、米軍事戦略に日本を組み込み、国民生活と平和や憲法を脅かしている政権はかつてなかったと強調。
小泉政権の悪政の継続は許せないとし、年金改悪や有事関連法案の成立を阻止し、自衛隊のイラクからの即時撤退に全力をあげると同時に、消費税増税・憲法改悪阻止と結び、「職場・地域から、政治の民主的転換にむけての運動を大きく展開していこう」とよびかけました。