日本共産党

2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」

自衛隊福岡病院のカラ出張

隊外医師の名 無断使用

小沢議員追及


 「民間人の医師の名を使ってまでカラ出張による裏金づくりをしていた」――。陸上自衛隊の組織的な不正経理が問題になっていますが、自衛隊福岡病院(福岡県春日市)で、隊外の医師の名前を無断借用し、この医師を出張させたことにして裏金づくりをしていた事実が十九日、衆院決算行政監視委分科会で明らかになりました。日本共産党の小沢和秋議員が追及したもの。名前を使われた医師は本紙に、「出張」を否定しました。

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民間の医師に架空の「出張」をさせたことにした旅費請求書

 小沢議員は、自衛隊福岡病院が二〇〇〇年二月十七日から十八日にかけて、東京・文京区湯島の東京医科歯科大学付属病院から医師を「手術指導」で招いた旅費精算請求書を提示しました。

 医師は前年の十二月三十一日付で東京医科歯科大を退職、問題の「出張」時には国家公務員共済組合連合会・三宿病院に勤務。「出張」当日は病院の記録でも三宿病院で診療していました。医師は「以前に一度、福岡病院に行ったことがあるが、出張費ももらっていない」と語っています。

 小沢議員は「年度末の予算消化のため医師の名前をでっち上げた出張ではないか」と追及。法務省に「虚偽公文書作成罪と詐欺罪に該当するのではないか」とただしました。石破茂防衛庁長官は「不正経理の端緒があれば厳正に調査したい」と約束。法務省の河村博審議官は「内容通りであれば(その罪が)成立する」と答えました。

 また、小沢議員は自衛隊福岡病院の医官が「医官募集」名目で防衛医科大学病院(防衛医大)などに何度も出張している事実を紹介。「防衛医大生の人事は本庁業務と聞いている。地方の自衛隊病院が『医官募集』のために二、三月に出張する必要があるか」と問いただしました。防衛庁の松谷有希雄参事官は「論文指導と聞いているが、さだかでない部分もあるので事実関係を調査したい」と答えました。


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