2003年5月20日(火)「しんぶん赤旗」
「陸上自衛隊はいつから『つり、もぐり、ゴルフ、海水浴、宿泊設備』を見ることが研修になったのか」――。十九日の衆院決算行政監視委分科会で陸自・那覇駐屯地の会計隊長が「現地偵察」名目に裏金使って遊興ざんまいしていた事実が明らかになりました。日本共産党の小沢和秋衆院議員が政府を追及しました。
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小沢議員が提示した陸自の内部資料は、沖縄・那覇の第四三〇会計隊が作成した一九八七年と八八年の「特別経費簿」。この帳簿はカラ出張や契約業者からの不正経理で浮かしたプール金の収支を記載したもの。陸自の事務用紙の裏を使用しています。
支出項目では「内局部員接待で二万四千円」「○○一佐接待八万千百円」などがあります。この一佐の土産には「六万千二百五十円のサンゴと一万五千六百円の肉」の費用まで書かれていました。
「あきれたのは、八七年四月の『(会計)隊長奄美現地偵察』だ。レンタカーなどの領収書と覚書のコピーがあるが、『つり、もぐり、ゴルフ、一般海水浴、宿泊設備等研修』と記入されている。偵察どころか、これは裏金を使って遊興しているだけではないか」と追及する小沢議員。こうした事実を示しながら、「陸自の不正経理の根本問題は、会計隊を中心に組織的に裏金づくりが行われ、それらが幹部の懐に入ったり、官官接待の財源になっていることだ」と指摘しました。
石破茂防衛庁長官は「直前に資料をもらったので、答えるだけの知見がない。持ち帰ってよく拝見したい」と答えました。
また、「特別経費簿」には会計検査官にたいする接待も記入されており、八八年一月に「会計検査官接待五万四千百七十円」、同四月に「十三万円」とされています。これにたいし、会計検査院の白石博之事務総局次長は「事実関係の調査をしたい」と答えました。